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日本には、“省エネ”バレーが必要だ。
中田監督が新鍋理沙に託した役割。 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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posted2017/07/21 11:00

日本には、“省エネ”バレーが必要だ。中田監督が新鍋理沙に託した役割。<Number Web> photograph by AFLO

代表復帰を果たした新鍋。信頼関係の厚い中田監督のもとで各国相手に戦える今を楽しんでいるようだ。

一番は「レセプションアタックでブロックアウト」。

 ネットから簡単に手が出る海外の大型選手と違い、小柄な日本人選手は、高さのある海外チームと対戦する時にはスパイクもブロックも常にフルジャンプしなければならないし、国内なら決まるスパイクも、高いブロックに阻まれる。だからフィジカル強化はもちろん、戦い方にも工夫がいると考える。

「だから私はサイドアウトにこだわるわけです。とにかく1本で切ろうと。そうすれば体力を消耗しにくいから。

 省エネだし、相手にとって一番嫌なことといったら、レセプションアタックでブロックアウトされること。その技術が本当にあったら、日本はどことやっても競り合いには持ち込める。あとはブレイク(自チームにサーブ権がある時の得点)を取ること。そのためにサーブをぶちこむ。

 省エネで試合を進めるには、とにかく技術を身につけなきゃいけない。サーブの技術やあらゆるプレーの確実性、ムダのない動き、スピードを追求しなきゃいけない。コンマの世界では、ちょっとのズレが大きなズレになるから。

 ただ、速いバレーを求めるとどうしても(スパイカーが)ヒットする場所が低くなるけど、そうじゃない。トスが何秒という速さじゃなくて、セッターが高い場所で離して、高いところでスパイカーに打たせる。これが一番速いバレー。それを間違えちゃダメ。そのためにも、1本目のところでちゃんと間(ま)を作ること。そうすれば周りの準備は絶対にできるので、速くもなんとも感じないはずです」

中田監督は「1本目の精度」を口酸っぱく要求する。

 指揮官はこのように熱く理想を語っていた。

 サイドアウトを1本で切って省エネの展開に持ち込むために、まず必要となるのがレセプションの正確性であり、だからこそ中田監督は「1本目の精度」を口酸っぱく要求する。

 その点で今年キーマンの1人に挙げていたのが、3年ぶりに全日本に復帰した新鍋理沙(久光製薬)だった。

【次ページ】 引退も一度は頭をよぎった新鍋だったが……。

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