新天地リバプールのもとでもまず我慢が必要か。

　ただソランケは、オランダのフィテッセにレンタル移籍していた昨季も、一軍への挑戦権を与えられている。結果はリーグ戦25試合に出場して7得点と、アピールしきれたとは言い難い数字に終わっている。ゴールマシンと化したユース時代の活躍は、チェルシーでチームに恵まれたおかげだとの意見も、現状では受け入れるしかない。

　チェルシーは過去4年間でFAユースカップ4連覇とUEFAユースリーグで2度の優勝を成し遂げている。チーム力で対戦相手を圧倒する中、得点機を作り出せるチームの最前線にソランケがいたからこそ好成績を残すことができたとの解釈だ。

　クロップのリバプールはボール支配を前提とするが、プレミアでは圧倒的優位を維持できる試合は限られる。ソランケの移籍1年目はまず、国内カップ選手権のピッチが主戦場となるだろう。場合によっては、CLグループステージで格下との対戦で出番を与えられるかもしれないが、いずれにせよ当人には我慢が必要だ。

ハードワークもできるソランケはクロップ向き。

　彼の心の拠り所があるとすれば、クロップ向きのストライカーであることだ。トップ4復帰を果たしたシーズンとなったが、クロップは「勝負を決め切れない」と度々嘆いていた。

　それに加えてダニエル・スタリッジが不動となれなかった背景には、怪我の多さとともににフィニッシュ以外での貢献度不足があったとされる。その点、ソランケはハードワークを欠かさない今風のストライカーである。タッチを誤ってボールを失った場合にも、必ずと言って良いほどのチェイシングで奪い返そうとする姿が見られる。

　U-20W杯のピッチでは、ポゼッションとビルドアップに貢献する姿も頻繁に見られ、スルーパスでのチャンス創出を試みている。そしてアルゼンチン戦で決めたダメ押しの1点は、相手GKをあざ笑うかのように、転がした緩やかなPKだった。

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