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高校生のA代表GKドンナルンマも!
U-21イタリアの本気すぎる陣容。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2017/06/15 17:00
16歳でミランの正GK、17歳でA代表デビューしたドンナルンマはまだ現役高校生。ブッフォンの後継者として国民の期待を背負う。
育成年代の強化を進めてきた御大サッキも鼻高々。
年齢制限の恩恵を受け、彼らは再び大会に帰ってきた。2年の歳月は、彼らをセリエAの一線級プレーヤーに成長させた。CLやELでの経験も積んだ。
今度こそ、の意気込みは強い。
11日に閉幕したU-20W杯で、イタリアは3位を獲得。FWオルソリーニは大会得点王に輝いた。
FIGCの育成年代強化部長を長年務めてきた御大サッキは、誇らしげに言う。
「2010年から連盟が進めてきた地道な仕事が実を結び始めた」
'09年大会からA代表に定着はボナベントゥーラだけ。
ただし、ぬか喜びは禁物だろう。
6日、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』HPに「消えたU-20選手たち。'09年大会代表は今どこに?」という記事がアップされた。
'09年エジプト大会に出場したイタリアU-20代表21人のうち、順調にA代表まで上り詰めた人間はMFボナベントゥーラ(ミラン)しかいない。それどころか、セリエAでレギュラーといえるのもボナベントゥーラとDFレジーニ(サンプドリア)の2人だけ。
記事は、当時注目された早熟の才能たちの多くが、現在セリエBやレーガプロ(3部)といった、陽の当たらない舞台でプレーしていることを伝えていた。アマリーグに身をやつした選手やすでに現役引退した者もいた。
伝統国イタリアの育成年代の裾野は広大で、生存競争はそれだけ激しい。
たった1歳の違いかもしれないが、だからこそ、U-21代表に上がった選手たちは、一皮剥けている。
2017年のU-21代表組はその上、一足跳びにA代表でも頭角を現し始めている。
11日のロシアW杯予選リヒテンシュタイン戦では、途中出場ながらFWベルナルデスキが鮮やかなミドル弾で、A代表初ゴールを決めた。