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高校生のA代表GKドンナルンマも!
U-21イタリアの本気すぎる陣容。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2017/06/15 17:00
16歳でミランの正GK、17歳でA代表デビューしたドンナルンマはまだ現役高校生。ブッフォンの後継者として国民の期待を背負う。
U-21代表の計11人がA代表に招集されて大暴れ。
U-21代表からFWペターニャや右SBコンティ、CBカルダラといった大躍進のアタランタ組や、攻撃センスの塊であるFWベラルディやMFペッレグリーニといったサッスオーロ組を初めとする11人をA代表に招集すると、サンマリノ共和国とのテストマッチに大量起用した。
非公式戦扱いだったゆえか彼らは適度な緊張感をもって存分に暴れまわり、8-0の大勝を収めた。壮行試合としては、ベストの内容に近い。
若手登用に定評のあったベントゥーラが代表監督に就任した'16年夏以降、A代表とU-21代表の関係はより密になった。老将と育成手腕に長けたU-21監督ディビアージョとの相互の信頼関係がなせる業だ。
若手軽視と見られがちなイタリアだが、実はU-21欧州選手権を5度制覇しており、歴代最多優勝回数を誇る。2位につけるのは4度優勝のスペインだ。
カンナバーロ、ピルロ、デロッシ……逸材を輩出。
欧州選手権を制した歴代のイタリアU-21代表は、のちの逸材を多く輩出してきた。
DFファビオ・カンナバーロは、'94年大会と'96年大会を連覇した。
'00年スロバキア大会で優勝したイタリアには、天才司令塔ピルロが絶対的な10番として君臨し、中盤には6年後ともに世界を制するMFガットゥーゾやMFペロッタがいた。
'04年ドイツ大会では、若き日のMFデロッシとFWジラルディーノが戴冠している。
“アッズリーニ”には、つねに欧州の頂点を狙う伝統が息づいているのだ。
彼らは当然、2年前のチェコ大会にも優勝を目指して臨んだ。
だが、最終的に優勝するスウェーデンと同居したグループリーグでまさかの敗退を喫した。'13年に就任し、初めて大会に臨んだ指揮官ディビアージョは、選手たちの経験値よりもタレントを重視し、敗れ散った。
若くしてチェコ大会に臨んだFWベラルディやFWベルナルデスキ、DFルガーニら5人は国際大会の難しさと悔しさを味わい、誓いを立てた。
「もう一度、この大会に戻ろう。今度こそ欧州のてっぺんを獲ろうぜ!」