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高校生のA代表GKドンナルンマも!
U-21イタリアの本気すぎる陣容。
posted2017/06/15 17:00
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
「過去20年で最強の代表だと思う」
よほどの自信がなければ、こんなセリフは出てこない。イタリアU-21代表を率いる闘将ディビアージョが内に秘める手応えは相当なものだ。目指すは13年ぶりの欧州王座奪還である。
今月16日、ポーランドでU-21欧州選手権が開幕する。
6日の大会招集メンバー発表を前に、指揮官ディビアージョの顔をほころばせたのは、本物の大器と期待されるGKドンナルンマからのゴーサインだった。
まだ18歳ながらミランの正GKであるドンナルンマは、もはやれっきとしたアズーリ(A代表の愛称)の一員であり、同年代のGKの中では彼のネームバリューはずば抜けている。ポーランドへ連れて行くことができれば、これほど頼もしい守護神はいない。
高卒資格試験と、欧州選手権を両立する文武両道。
ただし、ドンナルンマはセリエAのフルシーズンを戦い終えたばかり。まとまった休養は必須で、さらに高校生でもある彼は、この夏に高卒資格試験を抱える身だ。
年に一度の受験機会を逃せば、来年にはA代表として帯同する可能性が高いロシアW杯が控えている。受験を2年も先送りにすれば、一から勉強のやり直しだ。
試験は受けたいが、欧州選手権も絶対逃したくない。
18歳の代表GKは、FIGC(イタリア・サッカー連盟)や家族の協力を仰ぎつつ、高校の教官らと受験の日程を細かく調整することで、文武両道の目処をつけた。
「ポーランドに行かせてください」
意を決して、指揮官ディビアージョへ伝えた。メンバー中最年少でも、ドンナルンマの腹はもう据わっている。
今回、“アッズリーニ(小さなアズーリ=U-21代表の愛称)”のフィールドプレーヤーたちも、ほぼ全員が今シーズンのセリエAでレギュラーを張った精鋭揃いだ。
5月末、A代表を率いるベントゥーラ監督は、彼らに“インターンシップ”を施した。