月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
「実はおちゃめ」森繁和監督を読む。
プチ鹿島5月のスポーツ新聞時評。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byKyodo News
posted2017/05/31 17:30
「とんでもないことが起きるかもな……」と最下位からの逆襲をほのめかしたこともある森監督。まだまだ諦めてはいない!
「ありがとサンデー」と喜び溢れる紙面のデイリー。
阪神が好調で、デイリーのゴキゲンな見出しも続く。
5月15日「ありがとサンデー6連勝 福留 貯金10 ありがと3年ぶり」
“ありがとさん”が弾んでる。
5月18日「1球で4連笑 高山 V撃」「増えまくり貯金12!! 首位快走2.5差」「原口1カ月ぶり弾 先制3号ソロ」
この日の名物コラム『松とら屋本舗』のタイトルは「半信半疑」。
現在の強さに関して「だから今は半信半疑というか……いや、疑より信のほうが少しだけ大きいだろうか。」
浮かれまいとしながらも、幸せを隠しきれない感じ。
コラムの最後は、スマホで「半信半疑」を検索して「は・ん・し・ん・は・」と打ったら、「半信半疑」の次に多かったのが「阪神原口」というのがオチだった。やっぱり嬉しそうな様子がにじみ出てる。
このあと、
5月25日「顔面死球 鳥谷 流血交代」「病院直行……連続試合出場ピンチ」
というアクシデントがあるが、
5月26日「鼻骨折も強行出場 鳥谷バットマン 不死身G倒」
鳥谷はフェースガードを着用し、6回代打で連続試合出場継続。「地鳴りのような大歓声」。
推し球団が調子のいいスポーツ紙はにぎやかで、眺めてるだけでも勢いが伝わってくる。6月も続くのか?
悲報、ため息……トーチュウの暗い紙面。
さて続いては『東京中日スポーツ』(以下=トーチュウ)を見てみよう。
阪神とは対照的に中日ドラゴンズは開幕から苦しいスタート。トーチュウはその苦闘ぶりをどう伝えたか。
5月5日「竜逆転負け 12球団ワースト11度目」「4連敗今季最多借金8」
5月6日「竜また勝ち星が……ポロリ」「すべて逆転負け5連敗」
5日の巨人戦に2-3で敗れ、中日は今季ワーストタイの5連敗。本文は「またしても、ぬか喜びだった。」という“悲報”からはじまる。「5試合すべて先制しながらオール逆転負けだから、やるせない。」というため息が聞こえてきそうな行間。ああ。