福西崇史の「考えるサッカー」BACK NUMBER
福西崇史、久保以外のU-20注目点。
エース小川、中盤、磐田流の指揮官。
posted2017/05/19 11:40
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph by
AFLO
U-20W杯が目前に近づいていく中で、大会に臨む日本代表とジュビロが戦ったトレーニングマッチを見てきました。選手たちとも話をしたけど雰囲気がとても良くて、いい目をしていたのが印象的でしたね。若手特有の“チャレンジしたいんだ!”という意識が伝わってきた。そのワクワク感を本番で表現してほしい。
注目が集まっているのは久保建英ですが、久保がチームに合流したのは昨年10月のU-19アジア選手権が終わってからということもあり、連係を高めている段階です。
とはいえ久保は、周りを使いつつ自分の良さを活かせるし、そしてテクニックは抜群のものがある。だからこそ、ボールが持てない時間帯に起用するよりも、オープンな展開でボールが渡りやすい状況こそ、彼の力が最も生きるんじゃないかな、と。もちろん先発起用も選択肢に入っているでしょうけど、色々な起用法で試合の流れを変えられる存在になれると思います。
小川は1年目と比べて、客観視できるようになった。
さて今回のU-20日本代表、個人的には3つの注目ポイントを持っています。それはエース的存在の小川航基、攻守両面で重要な役割を担うボランチ、そして内山監督ですね。
まずは小川です。高い位置で起点を作れるところで不可欠だし、大会前のジュビロ戦、ホンジュラス戦でゴールを決めていて結果も残している。そういう意味でも小川にかかる期待は大きいですね。
小川はプロ1年目の頃と比べると、かなり良くなっている印象を受けます。昨年は(磐田の)名波監督もまだ公式戦に使っていなかったけど、練習でしっかりと大事なことを教わってきたはず。それもあって今年に入ってルヴァン杯でハットトリックを決めるなど、結果も出始めた。
コメントでも、1試合に懸ける思いだったり、自分の仕事を頭の中で整理できるようになってきた。そこで試合に出ることで自信もつけてきて「自分の中で何ができて、何ができないことなのか」ということを冷静に客観視できるようになってきた。そういった頭の整理ができ始めたのはとても大きい。