話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
U-20W杯で「黄金世代を超えたい」。
初瀬、小川、堂安それぞれの野心。
posted2017/05/20 07:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
AFLO
いよいよU-20W杯が始まる。
日本にとって10年ぶりの参戦、さらに久保建英が飛び級でメンバー入りするなど話題と期待が大きく膨らんでいる。
選手たちは、いろんな思いを抱えてピッチに立つ。
世界と戦って自分の現在地を知るとともに少しでも成長し、その後のサッカー人生につなげていきたい。勝利に貢献して自分の名前を世界に知らしめたい。チームとして歴史に名を残したい等々……。
実際、この大会での経験は非常に大きく、過去の大会に出場した選手たちはこの大会で成長し、日本サッカーの中心選手になっていった。
初瀬が尊敬する先輩・宇佐美と似ているギラギラ感。
初瀬亮は、この大会に懸ける気持ちが非常に強い。
昨年、AFC U-19選手権バーレーン2016を戦うのを愉しみにしていたが、大会初日に膝を負傷。決勝までの6試合でスタメン出場できたのはグループリーグのイラン戦と準決勝ベトナム戦の2試合のみ。ベスト8のタジキスタン戦、決勝のサウジアラビア戦は途中出場に終わり、チームは優勝こそしたものの悔しい思いを噛みしめた。
「昨年の大会は膝を怪我して、ほぼベンチでちょっと試合に出た感じだったのでチームに貢献することができなかった。ベンチに座っているだけじゃ物足りないと思っていたので本当に悔しかったです。今年は最初ガンバで試合に出られたんですけど、代表に合流する前の3試合は出場できていない。昨年と今のこの悔しさを大会にぶつけて健太さん(G大阪の長谷川監督)にアピールしたいと思っています」
初瀬は、左右のサイドバックをこなせる器用さを持ち、ピッチ上でも外でも声を出して雰囲気を盛り上げるムードメーカーだ。それと同時に内面に非常に熱いものを秘めている選手でもあり、それはピッチでの激しいプレーからも見て取れる。今どき珍しくギラギラ感を発散するタイプで、初瀬が尊敬するガンバユースの先輩・宇佐美貴史と似ているところでもある。