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ユーベが狙う3冠、実はCLより……。
コッパで待ち受ける伏兵・ラツィオ。
posted2017/05/17 08:00
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
ちょっと欲張りな“老貴婦人”が永遠の都で躓いた。
レアル・マドリーとのチャンピオンズリーグの決勝戦を控え、今季こそ欧州制覇そして国内外3冠を、と意気込むユベントスだが、ローマとの36節アウェーゲームに1-3で敗れ、セリエA優勝は次節クロトーネ戦以降に持ち越しとなった。
まさかの3失点完敗で、ユーベには俄かに不穏な緊張が漂う。
17日に戦うコッパイタリア決勝戦の相手は、よりによって今ノリに乗っている難敵ラツィオなのだ。
「我々はコッパのタイトルが欲しい。何としてでもだ」(監督シモーネ・インザーギ)
ラツィオ強し、を強く印象付けるのは、カンピオナートの終盤に彼らが見せているゴールラッシュだ。
33節パレルモ戦からの3連勝で大量16ゴールを挙げた彼らは、36節フィオレンティーナ戦でも2点を上乗せして、今季のリーグ戦総得点を72とし、クラブの歴代最多得点記録を更新した。
来季のヨーロッパリーグ(EL)出場を確定させているだけでなく、34節のローマ・ダービーでは仇敵ローマ相手に3ゴールを叩き込んで快勝しただけに、ラツィアーレ(ラツィオ・ファン)たちは至福の日々を過ごしていることだろう。
ネスタ「シモーネの仕事には驚くしかない」
インザーギ率いるラツィオは、2月のぺスカーラ戦から35節サンプドリア戦まで、恐るべきハイペースで勝ち点を重ねた。その間の黒星は31節のナポリ戦のみで、残りの12戦を9勝3分で駆けぬけている。
快進撃は指揮官の手腕によるところが大きい。
ともに'00年のスクデットを獲得したOBネスタ(マイアミFC監督)は、大西洋を挟んで旧友と古巣の躍進に目を見張る。
「シモーネ(・インザーギ)が成し遂げた仕事ぶりには驚くしかない。特長的なのは、多くの選手たちに今までやったことのないポジションや役割を教え込み、自信をもってプレーさせていることだ」