バスケットボールPRESSBACK NUMBER
田臥勇太だけではない魅惑の空間。
BリーグCS、栃木vs.千葉は必見だ。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/05/12 11:00
田臥(右)と千葉・富樫勇樹のマッチアップはもちろん、満員に膨れ上がるだろう会場の雰囲気も日本バスケ史に残る試合になること必至だ。
ブレックスの強みはハードな守備と速攻、リバウンド。
ブレックスの強みは、ハードなディフェンスから繰り出される速攻と、リバウンドだ。得点力は1試合平均80.5得点とリーグ全体5位ながらも、彼らがも多くの試合をものにしてきたのは鉄壁の守備にある。
1試合平均失点は69.8点。リーグで唯一70点を下回っている。そして1試合平均リバウンド数は43.5本。2位のシーホース三河に2本以上の差をつけている。オフェンスリバウンドの数も15.6本と、断トツでトップの数値を残しているのだ。
守備とリバウンド――。
一見すると、ものすごく地味だ。
ただ、その日の調子によって左右される面が大きい攻撃とは違って、守備やリバウンドは確実に計算の出来るものである。不朽の名作であるバスケットボール漫画『スラムダンク』を思い出すまでもなく、このスポーツの基本でもある。
そして何より、地味ながらそのスタイルはファンから熱狂的な支持を受けているのだ。
収容率がほとんどの試合で100%を超えている。
ジェッツの船橋アリーナよりもキャパが少ないこともあり、観客動員数ではジェッツについでリーグ2位のブレックスだが、ホームのブレックスアリーナは、ほとんど収容率が100%(座席数以上の観客が入る)を超える。試合後に広報が100%を超える収容率を公表するのが恒例となっている。これだけの支持を集めるのは、ブレックスというチームが並々ならぬ想いを持っているからだ。
そこにこそ、彼らの強みがある。
例えば、4月8日と9日に千葉の船橋アリーナで行なわれたジェッツとの2連戦でのこと。初日は80-92で敗れたものの、2日目は72-64と堅守のブレックスらしいロースコアで勝利を収めた。
2日目の試合後、ブレックスの指揮官はこう語っている。
「自分たちはディフェンスに『プライド』をかけてやっています。昨日の試合では、そのディフェンスを辱められたと思っています。それに対して『プライド』をかけて、自分たちのルールに従って、やるべきことをしっかりやる、ということを今日の試合でしっかり出来たことが一番大きかったと思います」