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Bリーグ史に残る栃木の大逆転劇。
22点差すら楽しめる選手、ファン。
posted2017/05/19 17:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kyodo News
栃木ブレックスは、バスケットを算数にしてしまう魔法のチームなのかもしれない。
5月14日に行われたBリーグプレーオフ準々決勝第2戦、千葉ジェッツ戦。第1Qが終わった時点でのスコアは13-33で、20点のビハインド。第2Qにはこの日最大となる22点差にまで開いている。
2戦先勝の準々決勝、第1戦は栃木が80-73で勝利していた。第2戦の序盤だけを見れば、1勝1敗のタイで、GAME3と呼ばれる前後半5分ずつの延長戦にもつれこむ、と多くの人が考えたはずだ。
しかし、敗れた千葉の司令塔である富樫勇樹は試合後にこう語っている。
「最初にリードがありすぎたところで、次のGAMES3を意識しすぎた部分は少なからずあったと思う。余裕が出たところを突かれてしまったのかなと思います」
千葉の指揮官が称えた「ギブアップしない」精神。
栃木は最大22点差をつけられながらも、そこから徐々に点差を詰めていったのだ。
第2Q終了時 28-43
第3Q終了時 49-52
試合終了時 77-70
Bリーグ史に残るであろう、大逆転劇だった。
千葉の大野篤史ヘッドコーチは試合後に、こう話した。
「栃木さんが素晴らしいと思うのは、ギブアップしないところです。いくらビハインドが広がっても、最後までチームとして戦うことに徹していた。チームとして何かをなしとげたいという想いが、認めたくはないですけど、栃木さんのほうが上だったと思います」