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田臥勇太だけではない魅惑の空間。
BリーグCS、栃木vs.千葉は必見だ。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/05/12 11:00
田臥(右)と千葉・富樫勇樹のマッチアップはもちろん、満員に膨れ上がるだろう会場の雰囲気も日本バスケ史に残る試合になること必至だ。
「天皇杯ではホントに悔しい負け方をして……」
そんなまとまりのあるクラブにとって、チャンピオンシップ準々決勝の相手がジェッツであるのも、因縁を感じさせる。実は、今季のブレックスを語る上でターニングポイントになるのが、天皇杯(オールジャパン)だった。優勝候補の一角だったブレックスが、準々決勝で千葉ジェッツに62-81と大敗した。Bリーグ再開後、ブレックスはジェッツ戦と川崎ブレイブサンダース戦に連勝したのだが、その時に田臥はこう話していた。
「オールジャパンではホントに悔しい負け方をして、そこから、自分たちがどういうチームになりたいのか、あるいはならないといけないのか、ということを話し合いました。どうすれば勝てるチャンスがあるのかと考えたときに……。
しっかりとディフェンスをして、そこからどんどん走って、激しくやる。ディフェンスだけではなくて、オフェンスも激しくアタックし続けるというのが自分たちの強みだと思うので。そのなかで、一人ひとりの役割が、自分は何なのかというのを意識しようとするきっかけに、あの試合はなったんだと思います」
ジェッツはBリーグ開幕後の最初のタイトルをつかんだチームであり、大野篤史ヘッドコーチのもとで成長を続けている。レギュラーシーズンは9連勝をして締めくくるなど、勢いにも載っている。
しかしブレックスは、選手からスタッフ、ファンに至るまで同じ空気を共有するすべての人が団結して待ち構える。
リーグ屈指の人気とタレントを備える両チームがCS初戦で対戦するのは、少々もったいない気もする一方で、大きな意義もあるはずだ。それが、ブレックスアリーナ宇都宮で行なわれるのだから。
注目の一戦は、5月13日の16時5分に幕を開ける。