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田臥勇太だけではない魅惑の空間。
BリーグCS、栃木vs.千葉は必見だ。

posted2017/05/12 11:00

 
田臥勇太だけではない魅惑の空間。BリーグCS、栃木vs.千葉は必見だ。<Number Web> photograph by AFLO

田臥(右)と千葉・富樫勇樹のマッチアップはもちろん、満員に膨れ上がるだろう会場の雰囲気も日本バスケ史に残る試合になること必至だ。

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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 アリーナの空気に、重みがある。

 一歩足を踏み入れただけでそう感じさせるのが、栃木ブレックスの本拠地である「ブレックスアリーナ宇都宮」だ。長方形型の体育館が多いなかで、ブレックスアリーナはどちらかというと正方形に近い。大規模なところで言えば代々木第一体育館というよりも、日本武道館に近いと言った方がイメージがわきやすいだろうか。

「入場者数がどうだとか、とにかく人が入ればいいというわけではないと思うので。あれほどまでにファンの方も一体になれるというのは、この体育館、このチームでなければ味わえないことなので。うちのアリーナの雰囲気は、チームが積み上げてきた歴史とか、ファンの人たちの歴史そのもの。それは他のチームには負けないと思います」

 かつてそう語ったのは副キャプテンの渡邉裕規だが、この会場には特別な空気を作り出すファンがいる。

 5月13日から始まるBリーグ初年度のチャンピオンシップ。1回戦となる準々決勝最大の注目カードが、栃木ブレックスと天皇杯王者の千葉ジェッツが激突する一戦であることに異論はないだろう。そして会場はブレックスアリーナだ。最高の舞台は整った。

 しかし、そもそもリーグ随一の熱狂的な空気はどこから生まれているのだろうか――。

北海道から沖縄まで、どこに行ってもファンが多い。

 5月3日、最も激しい首位争いが展開された東地区を制したのは、栃木ブレックスだった。地区2位のアルバルク東京とのアウェーゲーム。軽傷を抱えていたギブスと田臥勇太をベンチ入りから外しながらも勝利して、地区優勝を決めた。

 試合後にヘッドコーチ(HC)のトーマス・ウィスマンはこう話した。

「今日も観客席にたくさんの黄色(※栃木ブレックスのチームカラー)を見ることが出来ました。北海道から沖縄まで、ブレックスのファンはどこに行ってもたくさんいて、熱心に応援してくれます。東地区というタフな地区で優勝できたということはファンのみなさんのためにもよかったと思います」

 優勝候補であるアルバルク東京や千葉ジェッツを抑えての地区1位。リーグ全体で見ても川崎ブレイブサンダースに次ぐ2位で終えている。

【次ページ】 ブレックスの強みはハードな守備と速攻、リバウンド。

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