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リーチマイケル、代表復帰前の本心。
「ジェイミーはがっかりしたが……」
text by
村上晃一Koichi Murakami
photograph byKoichiro Matsui
posted2017/05/07 09:00
この6月に代表復帰を果たすと報道されているリーチマイケル。とはいえ辞退していた頃も彼の中には揺るがぬ信念があった。
キンさんが引退する年齢を目標にしたい。
――目標が明確になりましたね。
「日本代表リストに名前がなかったとき、再び火がつきました。日本代表になりたかった学生時代の気持ちに戻ったのです。いつのまにか代表に入るのが当たり前になっていました。今は、次のメンバー発表で自分の名前を見つけたいと思う。ただし、今の日本代表でプレーを続ける選手達がどう思うか、受け入れてくれるかが問題でしょう。自分のセルフィッシュ(わがまま)な判断ですから」
――ところで、選手としては何歳までプレーしようと考えているのですか。
「キンさん(大野均、東芝)が38歳ですよね。キンさんが引退する年齢を目標にしたい。でも、キンさんはまだまだ元気(笑)。自分も'19年だけではなく、'23年のW杯も目指したいと思っています」
'08年の日本代表入り以降、休みなく戦い続け、'14年からはキャプテンとして先頭に立ってきたリーチは、身も心も傷だらけの状態にある。左足首、左前腕、左目の下にプレートが埋め込まれ、右手親指の付け根にはボルトが入る。左の前腕は軽くノックするだけで痛むほどだ。それでも、リーチはさらなる高みを目指す。原動力は自分を育ててくれた日本の代表チームを強くしたいという純粋な想いだ。
'19年、最強のFW第三列として世界の大舞台に立つための「辞退」という決断。それが正解だったのかどうか。答えは3年後に出る。
(Number916号『リーチ マイケル 僕がいま、話したいこと。』より)