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非常に厄介な「肉離れ」というケガ。
大谷翔平は本当に6週間で復帰できる?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2017/04/28 07:00
4月1日の西武戦での大谷。全力疾走禁止、ベースを右足で踏むことの禁止など、より一層の注意がされたのだが……。
「肉離れ」という、実は非常に厄介なケガについて。
「そもそもいまは肉離れの程度を1度、2度という言い方はしない。専門的には1型、2型、3型と分類し、大谷くんの場合は恐らく腱膜などを損傷し血腫がある2型と推測されます。ただ、ケガの直後に応急処置でトレーナーは圧迫して冷やしている。だからすぐにMRIを撮っても、正確な内出血の画像は映らないはずです。本来なら2日後にMRIを撮り、その画像で正確な状態を把握して診断を下すべきですね」
それくらいに肉離れは慎重に判断しなければならないし、その上で初めて復帰スケジュールが決まるはずだ、ということだ。
なぜそこまで慎重に判断しなければならないかというと、肉離れは再発頻度の高いケガだからである。
太ももの肉離れと足首の故障と2つの問題が。
よく肉離れはクセになるという。
このクセになる大半は完治しないうちに復帰して、そこに負荷が加わって再発させてしまうケースなのだという。しかも肉離れの検査はMRIの画像をどれくらいの厚さで撮影するかなど専門的な知識が求められる。
「復帰に際しては、最終的には専門医の正確な検査を受けて、完全に治っているという判断の基に決定を下すべきでしょう」
こう前出の医療関係者が指摘する。
もちろん日本ハムもそういう専門家の意見を基に、細かな経過観察をしながらリハビリメニューを作成しているはずだ。ただ、大谷にはもう1つ、抱えている足首の問題もある。
その2つをどう総合して判断するか。
そこが2つ目のミッションへと繋がっていくことになるのである。