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非常に厄介な「肉離れ」というケガ。
大谷翔平は本当に6週間で復帰できる? 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKyodo News

posted2017/04/28 07:00

非常に厄介な「肉離れ」というケガ。大谷翔平は本当に6週間で復帰できる?<Number Web> photograph by Kyodo News

4月1日の西武戦での大谷。全力疾走禁止、ベースを右足で踏むことの禁止など、より一層の注意がされたのだが……。

大谷の将来を考えた時に、手術は必然である。

 まず、左太ももの肉離れを完治させるために復帰には時間をかける。

 そうして肉離れが完全に治ってグラウンド復帰できるようになったら、投手も含めて今度は右足首の故障のために変な規制をかけない。変に足首や太ももをかばうのではなく、全力でプレーに専念させるということだ。

 ただ、結果としてまた、骨棘が残っている右足首に痛みが再発するかもしれない。その場合には今度こそ、シーズン中でも手術に踏み切るべきだろう。

 戦力的な問題や営業的な問題から、日本ハムが大谷を欠くことは大きな痛手になる。だから昨オフも、WBCの出場を見送った時点でも、言葉は悪いが誤魔化しながらでも、今季を乗り切りオフに手術という道を選択した。

 ただ、大谷の将来を考えた時に、手術は必然である。

 いずれメスを入れなければならないのは、まぎれもない現実なのである。

 今季を乗り切るために、ヘタに力をセーブさせたり、不自然な動きを強要すれば、もっと深刻な故障の要因にもなりかねない。ならば全力でプレーさせ、次に痛みが出たときには、完治を目指す決断をすべきだということだ。

大谷のためにも、長い時間をかけて完治を待つべき。

 オフにはメジャー移籍の可能性もあり、何より大谷にはプレーヤーとしての長い将来がある。走塁中の肉離れは衰えの出てきたベテラン選手には多いが、若い大谷に起こったアクシデントだからこそ、慎重に慎重を重ねた対応が求められるはずだ。

 大谷を観れないのは、ファンにとってはつまらないかもしれない。しかし、だからこそ時間をかけて完全に治るまで、その勇姿を我慢すべきである。

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大谷翔平
栗山英樹
北海道日本ハムファイターズ

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