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マルケスの走りは“勝利 or 転倒”。
MotoGP序盤の番狂わせを検証する。
posted2017/04/21 07:30
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph by
Satoshi Endo
ホンダのエースで2年連続4回目のタイトル獲得を目指す24歳のマルク・マルケスが、序盤の2戦を終えて総合8位と厳しいスタートになっている。
開幕戦カタールGPでは、タイヤの選択をミスして4位。第2戦アルゼンチンGPでは、タイヤの選択に迷いはなく、序盤に大きなリードを築くも、転倒リタイヤと自滅。2戦を終えて獲得ポイントはわずか13点に留まっているのだ。
一方、スズキからヤマハに移籍、ウィンターテストから絶好調の22歳のマーベリック・ビニャーレスが開幕2連勝。
最年長38歳ながらヤマハ不動のエースであるバレンティーノ・ロッシが3位&2位とビニャーレスを追撃して総合2位。
マルケスは、ビニャーレスに37点差、ロッシに23点差と序盤にして大きく水をあけられているのである。
「シーズン序盤にミスをしてはいけない」
快調にトップを走りながら、まさかの転倒を喫したアルゼンチンGPでマルケスは、自分の犯したミスに腹を立て、こう語った。
「転倒の原因はわからない。予選に比べれば早めのブレーキングだったし、転倒する前の周とは同じ位置でブレーキングを行った。普通なら転ばないケースだが、なにか小さなミスを犯したのかも知れない。
転び方はどうあれゼロポイントに終わったのが痛い。シーズン序盤にミスをしてはいけないということを十分にわかっていただけに自分に腹が立つ。こんなことは早く忘れて、次戦に向けて気持ちを切り替えたい」
3回目のタイトルを獲得した昨シーズンは、シーズン序盤は思うようにマシンが仕上がらず厳しい戦いを強いられたが、我慢の走りが勝利を呼び込んだ。さらに、優勝を狙えないときは2位。2位もダメなら3位と、とにかく「勝つことよりもチャンピオンシップ」を優先し、完走することを1番の目標にした。
その結果が、シーズン5勝でチャンピオン獲得に繋がった。