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ロッシは同僚とまた不仲になるか。
MotoGPの偉業達成は目前だが……。
posted2017/03/23 21:00
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph by
Satoshi Endo
2017年シーズンの開幕戦カタールGPが、現地時間3月23日の夜、ドーハ郊外のロサイル・インターナショナル・サーキットで始まる。
開幕に向けて行われたウインターテストで注目を集めたのは、昨年のチャンピオンでMotoGPクラスにデビューして4年で3回のタイトルを獲得したマルク・マルケスとスズキからヤマハに移籍、マレーシア、オーストラリア、カタールと続いた3回の公式テストで連続トップタイムをマークしたマーベリック・ビニャーレスの2人だった。
ウインターテストのリザルトがそのままシーズンに反映するということはないが、勢いあるスペイン人の若い2人が、MotoGPクラスの中心になることは間違いない。
対照的に、'09年以来、タイトル獲得を果たせずも、ドゥカティに在籍した2年間をのぞいて常にチャンピオン争いに加わってきたバレンティーノ・ロッシが、これまでになく精彩を欠いた。
その理由は、2017年型ヤマハYZR-M1のハンドリングが好みのフィーリングに仕上がらなかったからだ。
「今年はハンドリングのヤマハを復活させる」
昨年までチームメートで今季ドゥカティに移籍したホルヘ・ロレンソとは、バイクのセットアップにそれほど大きな差はなかったが、ビニャーレスとはかなり好みに違いがあるようだ。
ヤマハが「去年は転倒が多かった。今年はハンドリングのヤマハを復活させる」という狙いで開発してきた2017年型は、ここまではビニャーレスに合っているが、ロッシには合わなかったということになる。