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GI昇格大阪杯で武豊7勝目なるか。
キタサンに思い出す、ある名馬。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2017/04/01 08:00
追い切りで力強い動きを見せたキタサンブラック。'16年は2着に終わった同レースで、GI通算4勝目を目指す。
史上初のGI全制覇に向けて「大阪杯男」の腕が鳴る。
武は、GIIだった大阪杯で、昨年まで史上最多となる6勝をマークしている。'88年フレッシュボイス、'90年スーパークリーク、'93年メジロマックイーン、97年マーベラスサンデー、'98年エアグルーヴ、2014年キズナ。すべてGI馬だ。
その6勝とも、GIのようなメンバーで(だから昇格したのだが)、クリークやマックイーン、キズナなど、ブラック同様負けるわけにはいかない馬で結果を出してきた。
「日本を代表する馬です」
武はブラックのことを、敬意をこめて、何度もそう言っている。
春は、大阪杯、天皇賞、宝塚記念というローテーションで、秋の凱旋門賞に1次登録するようだ。
武は、史上初のJRA・GI全勝まで、残るは朝日杯フューチュリティステークスのみ、というところまで来ていたが、今年からホープフルステークスと、この大阪杯がGIに格上げされたことにより、残り3つとなった。「大阪杯男」の名にかけて、ここはぜひとも片づけておきたいところだろう。
昨年のダービー馬マカヒキは状態が上向いてきた。
スーパークリークには、同い年のオグリキャップ、1歳上のイナリワンという、強くて、個性豊かなライバルがいた。それも1980年代後半の熱い競馬をさらに盛り上げる要因になっていた。
キタサンブラックのライバルたちも、負けず劣らず強力だ。
大阪杯の出走メンバーでは、やはり、昨年のダービー馬マカヒキ(牡4歳、父ディープインパクト、栗東・友道康夫厩舎)との初対決が見ものだ。
大敗した凱旋門賞と、3着に終わった前走の京都記念の末脚には「らしさ」がなく心配になったが、この中間で状態はかなり上向き、本来の力を発揮することができそうだ。