話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
宇佐美貴史はこのまま消えるのか。
「自分に栄養を与えている段階」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2017/04/01 07:00
1ゴール2アシストの久保と入れ替わった宇佐美。再び代表でファーストチョイスとなるためには、ドイツでの活躍は必須となる。
アウクスブルクでも25試合中8試合の出場にとどまる。
UAE戦とタイ戦で明確になったことは、久保を始め活躍しているのは例外なくクラブで試合に出場し、結果を出してきている選手ばかりだということだ。
「裕也(久保)はベルギーでのいい流れをそのままチームに持ってきたなという感じがある。真司(香川)くんも岡(岡崎慎司)ちゃんもクラブで試合に出始めてすごく勢いに乗って来ているし、それがすべてではないですけど、チームでの活躍が代表に通じてくるのかなと思います」
チームで活躍することの重要性を改めて感じたというところだが、宇佐美は所属するFCアウクスブルクで出場機会に恵まれていない。
現在、25試合中8試合出場でフル出場は1試合のみ。得点はまだゼロだ。昨年、ガンバ大阪から「再挑戦」と意気込んでドイツに乗り込んだが、宇佐美の主戦場である左サイドには守備的な選手が起用されるなど、マヌエル・バウム監督の信頼をまだ掴めていない。
チームはカウンター主体だが守備への要求が高く、チーム戦術にあまりフィットしていないと判断されているのだろう。活躍しようにも試合に出れていない状況なのだ。
「今は我慢強く、意欲的に取り組む以外ないかな」
「チームではサイドハーフなんですが、3-5-2なのでトップ下なのか、自分の居場所はどこなのか、ポジションはどこなのか、役割は何なのかを探している感じです。これは役割じゃないというのも求められている部分もありますけど、そういうところをこなしていく中で逆に自分の長所が生きてきたり、幅が広がったりするところに繋がると思うんで、まぁ今はすべてにおいて我慢強く、意欲的に取り組む以外ないかなと思っています。それをやりながら(状況が)良くなることを信じてやっていきたいです」
技術は高いが、監督からはまだ試合を任せられる選手になっていないということなのだろう。2度目のドイツもかなり苦戦中だが、苦しんでいるのは宇佐美だけはない。