話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
宇佐美貴史はこのまま消えるのか。
「自分に栄養を与えている段階」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2017/04/01 07:00
1ゴール2アシストの久保と入れ替わった宇佐美。再び代表でファーストチョイスとなるためには、ドイツでの活躍は必須となる。
「苦しい時は自分に栄養を与えている段階」
香川も苦しんでいたし、岡崎もクレイグ・シェークスピア監督に代わるまでは試合に出場できない状態がつづいていた。今回未招集だった武藤嘉紀も盤石のレギュラーではなく、スペインに移籍した柴崎岳も適応に時間がかかった。
「苦しむことは大事なこと。苦しんで化ければいいし、苦しい時は自分に栄養を与えている段階だと思うんで、それがハネるようにしていけばいい」
それでも宇佐美は1度目のドイツでの苦い経験が生きているのか、苦しむことは織り込み済みで挑戦している。焦りはないとはいえ、このままでは宇佐美の状況は変わらない。チームでポジションを確立できず、代表でも椅子を失った。原口らライバルたちはさらにチームで活躍し、そのポジションを確固たるものにしていくだろう。
「日頃から競争は始まっていると思うし、日々どれだけ何かを積み上げられるものがあるかというところの勝負だと思う。今は我慢強く、辛抱強く、努力を重ねていくだけです。そうして代表にすべてを還元したいですし、もっといい形で代表に戻ってこられるようにしたいと思っています」
ドイツではこれからリーグ戦が佳境に入り、選手起用がより慎重になっていく。その状況を打ち破って結果を出していけるか。そして、6月にはアウェイでイラク戦がある。宇佐美にとっては、そこまでの数カ月が非常に重要であり、「勝負の時」になるだろう。