酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
開幕戦限定の最高打率、最多勝は誰?
最多本塁打はやっぱり伝説のあの人。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNaoya Sanuki
posted2017/03/29 17:00
現役選手の開幕戦最高打率は、柳田悠岐。WBCに出場することはできなかったものの、ケガからの復帰は順調な様子だ。
和田一浩も目立つが、最多本塁打はやっぱりあの人。
ここ20年で最高の開幕戦男は、一昨年引退した和田一浩(西武、中日)だろう。12試合で42打数11安打の打率.262ながら、7本塁打11打点。西武時代に2本、中日時代に5本打っている。2009年には2本塁打と大暴れした。
しかし上には上がいるもので、開幕戦本塁打のNPB記録は、10本。
ご存じ長嶋茂雄だ。
長嶋は1958年開幕戦でプロデビューしたが、金田正一(国鉄)に4打席4三振を喫した。
しかし翌年、同じ金田正一から初の開幕戦本塁打、さらにその翌年も金田から開幕戦の一発、これも含めて引退する'74年までに10本塁打を記録。
通算本塁打数でははるかに上の、王貞治(巨人)、野村克也(南海他)でも開幕戦は6本。長嶋はオールスター戦、日本シリーズ、日米野球、天覧試合など大舞台に強かったが、開幕戦にもめっぽう強かったのだ。
長嶋自身「ぼくは大きな舞台、記念すべき試合になると燃えるんですよ。打ってないのはバースデー・ホームランだけ。なぜかなあ」と言ったとか。
長嶋茂雄は2月20日生まれだから、それは絶対不可能だったのだが、球春到来にも「燃える男」だったのだ。
開幕戦での“責任投手”こそエースの証。
次に投手の開幕戦の成績を見ていこう。
1.涌井秀章(ロッテ) 7試合5勝2敗 防御率2.54
2.石川雅規(ヤクルト)7試合4勝3敗 防御率3.27
3.安藤優也(阪神)3試合 3勝0敗 防御率3.32
3.菅野智之(巨人)3試合 3勝0敗 防御率0.43
3.攝津正(ソフトバンク)6試合3勝2敗 防御率2.56
先発投手は勝ち星を挙げるのが大事だが、それとともに同点で降りるのではなく「責任投手」として試合の勝敗を決するのも重要とされる。涌井、石川はまさにそういう成績だ。