球道雑記BACK NUMBER
自信のないドラ1と、自信満々のドラ2。
ロッテ、2大ルーキー投手の期待値は?
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2017/03/28 11:00
春季キャンプ中にロッテが今季の「青ユニフォーム」を発表した際には、酒居(左)と佐々木という期待のルーキーが並ぶことになった。
「9人中6人」
ずらりと並べてきた左打者の数が、相手から見た彼に対する評価のように思えた。
3月22日、ZOZOマリンスタジアム、千葉ロッテ対中日戦。
左打者に対する配球および制球に不安を残す千葉ロッテ・佐々木千隼に対し、中日は大島洋平、京田陽太、藤井淳志、遠藤一星、石岡諒太、溝脇隼人といった6人の左打者をスタメンに並べてきた。
結果は6回1/3、打者27人に投げて被安打4、失点1。
前回の登板(横浜DeNA戦)に続いて“結果”で応えたスーパールーキーだが、試合後に記者団の前に現れた千葉ロッテ・伊東勤監督の表情は最後まで曇ったままだった。
「抑えたといえば抑えましたけどボールのばらつきもあって、ストライクとボールもハッキリしていたし微妙なところでしたね。結果だけを見れば1点で抑えた形ですけど、内容から言ったら非常に微妙です」
「微妙」という言葉を何度も繰り返した辺りに、指揮官の複雑な胸中が窺えた。
1球もストライクが取れないまま四球で歩かせたシーン。
佐々木のオープン戦成績は4試合15回1/3を投げて失点3、自責点1、防御率0.59。
この春に大学を卒業したばかりの22歳のルーキーとしては及第点以上の数字と言える。
しかし、22日の登板ではこの日の課題の1つだった「2球のうち必ず1つストライクをとる」ということが実践出来ずに、2ボール0ストライクというケースが実に7回もあった。「結果オーライ」と首脳陣に言われても仕方がないと言えるだろう。
中でも首脳陣の印象を悪くしたのが3回1死一塁で、同じ大卒ルーキーの京田陽太を迎えた場面だ。
初球、キャッチャーの田村龍弘がインコースに構えると、佐々木のストレートはシュート回転して外へ大きく外れる。
続く2球目、今度は変化球がコース、高さともに外れワンバンのボールになると、3球目も外角へ大きく外れて、3ボール0ストライクになってしまう。
一塁走者の大島の足に警戒し過ぎたのか結局、佐々木は京田に対して1球もストライクが取れないまま四球で歩かせてしまった。