球道雑記BACK NUMBER
自信のないドラ1と、自信満々のドラ2。
ロッテ、2大ルーキー投手の期待値は?
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2017/03/28 11:00
春季キャンプ中にロッテが今季の「青ユニフォーム」を発表した際には、酒居(左)と佐々木という期待のルーキーが並ぶことになった。
「ボールも、マウンド度胸も、変化球も良い」
この日の酒居の投球からは「俺は、ここで投げている場合じゃないんだ」という気迫のようなものを終始感じた。
さらに福澤はこう続ける。
「元々、本人が持っているポテンシャル、ボールの強さとか変化球の切れなどは十分通用するピッチャーです。今日の試合は若い宗接(唯人)がキャッチャーだったので偏った配球もあったりして、一発も浴びましたけど、それでもピッチャーの力だけであれだけ抑えられる。もっと色んなボールを使ってあげられれば、より高いレベルでやることも十分可能でしょうし、ピッチャー自体は満点に近い出来だったと思います」
キャンプ終盤に行われた紅白戦では、昨年のパ・リーグ首位打者である角中勝也から胸元に直球を投げ込んで空振り三振を奪うなどして、スタンドのファンをどよめかせた。
このときの伊東監督の試合後談も「ボール自体も、マウンド度胸も、変化球も良い。上手にカウントをとれていましたね」と絶賛している。あとはこのときの輝きをいかに早く取り戻して、持続できるかが今後のテーマになる。
プロの世界は「一軍でやってなんぼ」である。
現在の状況について酒居はこう話す。
「今はせっかくファームにいるので、自分の球をどれだけ投げ続けられるかをテーマに投げています。上にいるときは結果を求め過ぎたので、自分でも球が(指に)かかっている感じもしなくて、試合でも納得行くような球を投げている感じはしなかったんですけど、ファームに来てからは、それを取り戻すじゃないですけど、自分の球でやり抜くことを意識しています。上(一軍)で大量失点したときのような、だらだらした投球にならないよう、今はしっかりとメリハリをつけてやろうとも考えています。その点で今日は自分の球でいけたので良かったと思いますね」
佐々木についても言えることだが、新人投手にとって結果も内容も求められる一軍の舞台はある意味、酷である。と、同時にプロの世界は「一軍でやってなんぼ」の世界とも言われ、二軍でどれだけ結果を残しても意味はない。大卒、社会人卒のルーキーともなれば、「やって当然」という目で見られるのも仕方のないことだ。