“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
久保、堂安、小川以外も逸材揃い!
U-20代表候補の持ち味、一挙紹介。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2017/03/24 07:00
ドイツ遠征には左利きで長身のCB町田ら有望株が招集された。U-20ドイツ代表とも戦うなど、有意義な時を送っている。
サプライズ招集された、旗手怜央という大学生。
最前線に目を向けてみると、ドイツ遠征メンバーには一人だけ、初招集の選手が入った。
それは、順天堂大学のFW旗手怜央。世間的には無名の選手かもしれないが、彼の代表入りを期待する声は非常に多かった。
旗手の持ち味は驚異的な身体能力から繰り出されるドリブルシュート。ピッチがぬかるんでいようがスリッピーだろうが関係なく、低い重心からスピードに乗ったドリブルで守備陣を切り裂き、左右両足から強烈なパンチ力のシュートを放てる。
実は、そのポテンシャルの高さは静岡学園時代から光っていた。順大への入学後、いきなり活躍し始めたように見えたため、プロのスカウトが動き出すのが遅れてしまったという逸話を持つ。
順大では1年からレギュラーを掴み、ゴールを量産。「J1でも即戦力」と関係者を唸らせるほどのアタッカーに成長した。それゆえに代表待望論もあったが、守備面での不安もあり、内山監督はここまで彼を選出しなかった。それだけにこの本番直前での選出は多少の驚きもあったが、納得の判断と言えるだろう。
小川、岩崎、久保という3枚看板がいるだけに……。
FWには絶対的エースの小川航基(磐田)、前線でのかき回し役となる岩崎悠人(京都)、最大の注目の的となっている久保建英(FC東京U-18)という、絶対に外せない3枚のアタッカーがいる。もし本番のFWの枠が4枚とするならば、旗手か高木彰人(G大阪)のどちらかが入ることになるだけに、ドイツ遠征でこの2人がどこまでアピール出来るかがポイントとなる。
2トップの組み合わせを考えると、ファーストチョイスが小川と久保で、岩崎がサイドに回る可能性がある。小川と岩崎のコンビの質の高さはアジア最終予選で実証済み。だが、小川がこのメンバーの中で一番実戦経験が乏しく、思い切って久保と岩崎、旗手と岩崎を並べることも十分にある。この組み合わせも実際に見てみたい。
いずれにせよ、日本が入ったグループは、今大会でも一番厳しいグループだという事実は間違いない。ボランチの原は“対・強豪国”について、昨年12月のアルゼンチン遠征を持ち出してこう語っている。
「アルゼンチン遠征で、ヨーロッパ組がいなかったアルゼンチン代表にあれだけの力の差を感じて、あのチームが南米予選4位(U-20W杯の出場権は獲得)。“あれより強いチームがあるのか!?”という感じだった。それくらいアルゼンチン代表は僕の中で衝撃的でした。プレースピードはもちろん、球際で全然勝てなかった。ボランチも足が速くて、それが一番衝撃だった。ボランチから一気にスピードアップをして来るし、対応が本当に難しかった」