野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
MLB愛好家のトリプルクロスレビュー。
アメリカ豪華メンバーを今さら解説!
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byGetty Images
posted2017/03/22 21:00
2年連続ホームラン、打点の二冠王ノーラン・アレナド。このクラスが出てくることが、今回のWBCのハイレベルさを物語っている。
2つずつチャンピオンリングを持つ3兄弟。
Tomo「さきほどのプエルトリコ料理店の壁には、プエルトリカンの英雄と呼ばれる人たちのサイン入り写真が飾られているんです。まずはゴルフのチ・チ・ロドリゲス。ついでがモリーナ・キャッチャー3兄弟。近いうち、この壁にカルロス・コレアが加わるのは間違いないでしょう」
Toyo「あとはリンドーアとバエズじゃ。彼らは1歳違いで、プエルトリコの近所の町で育ち、それぞれ12歳の時にまったく別のルートでフロリダに移住しとるんじゃ。これまた近所の高校で別々に野球をやって対戦して、共に注目を集める選手になった。そしてドラフトでは2人とも栄えある一巡目指名。リンドーアは全体8位でインディアンス、バエズはその直後の全体9位でカブス。昨年のワールドシリーズは、その二人が対戦するという本当に稀有なシチュエーションじゃったな。ちなみにのぉ、移住の理由は2人とも妹さんの病気の治療のためだったそうじゃ。バエズの妹さんは、一時は良くなるも、一昨年に亡くなってしもうたんじゃ……」
Tessy「ますます応援したいですね……」
Toyo「プエルトリコがドミニカを倒したあの日。覚えとる場面があるんじゃ。盗塁を試みたドミニカのネルソン・クルーズに、ヤディアー・モリーナが矢のような送球をよこす。バエズはアウトを確信したかのように、クルーズの方は一瞥もせずモリーナの方を見ながらノールックでタッチアウトにしよった。ポテンシャルは高いが、雑な面の多い選手。バエズは野球は右利きじゃがの、生活は全て左利き。だからタッチがうまいんかのぅ?(笑)」
Tessy「ピッチャーはドミニカ戦であのロマンが先発していたりと、若干駒不足感は否めないけど、リリーバーにディアス、コローンにヒメネスと、プエルトリコもブルペンがかなりいいですよね」
Toyo「ワシの注目は、準決勝でも投げたリリーフ左腕、アレックス・クラウディオじゃ。マウンドでセットの時、まるで左バッターが打席で構えるように動きよる。なんじゃー、打つんじゃなかろうかって思うくらい。おもろいのぉ」
Tessy「あと、このチームはコーチ陣がやたらと豪華! デルガドやバイエガ。ブルペン捕手ですらモリーナ三兄弟の真ん中のお兄ちゃんですって」
Toyo「バイエガコーチとベネズエラのビスケール監督の二遊間が見たい! 往年のインディアンズのキーストンコンビ!」
Tomo「モリーナ兄弟、3人とも2個ずつチャンピオンリングを持っているんですよね。一家に6個は家別対抗でいえば歴代何位になるのでしょう」
Toyo「こんでプエルトリコが優勝したら、WBCの優勝リングがまた2つ加わるのぉ」