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初のメジャー昇格を目指す、中後悠平の新たなスタート。~失うものがない、という立場の強さ~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byYukihito Taguchi
posted2017/03/22 07:00
中後はオープン戦3試合で3回を投げ、1安打2四球3奪三振1失点、防御率3.00だった。
「Nothing to lose」。米国でしばしば使われるフレーズで、文字通り、「失うものはない」という意味である。
今年の春季キャンプに招待され、初のメジャー昇格を目指すダイヤモンドバックス中後悠平投手が、今季、新たなスタートを切った。キャンプ開始後のフリー打撃で好投したのをはじめ、「初メジャー」となった2月25日のロッキーズ戦では、わずか8球で1回無安打無失点と好投。その一方で「オープン戦とはいえ、緊張した。ここから始まるんだなと……。プレッシャーに打ち勝っていくしかない。ケガをしたら終わり。調子を落とすわけにはいかない」と、並々ならぬ覚悟を口にした。妻子を日本に残す27歳の言葉は、紛れもない、本音だった。