野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
MLB愛好家のトリプルクロスレビュー。
アメリカ豪華メンバーを今さら解説!
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byGetty Images
posted2017/03/22 21:00
2年連続ホームラン、打点の二冠王ノーラン・アレナド。このクラスが出てくることが、今回のWBCのハイレベルさを物語っている。
黒田のMLBラストゲームにまつわるエピソード。
Tomo「やはり短期決戦、しかも一発勝負なので、いいスターターよりも、ブルペンを重視するのが王道。先発投手は少なめになるんでしょう。日本は、いまだに先発投手こそエースという風潮がありますから、その線からは外れてますけどね」
Tessy「目玉はやっぱり、アンドリュー・ミラー(インディアンス)ですね。昨年のプレーオフでの大車輪の活躍も記憶に新しいです。“アンミラ”という名も実に日本人に親しみ深い名前じゃないですか」
Toyo「ミラーは、今リリーバーとして最も完璧に近い人じゃろうなぁ。入団当初は先発で低迷したけど、左腕だから、どうにか生き延びて、やっとブレーク。ボストンでリリーフ転向したときは、ミッチ・ウィリアムスの再来になるかと心配じゃったが、無事、毎日投げられるランディ・ジョンソンに成長しよったね」
Tomo「この人は遅咲きでしたねぇ。もう6球団目で今年32歳。ドラフト1巡目でタイガーズに入団したことを覚えてる人も少ないんじゃないでしょうか。球は速いけど、どうしても制球難がついて回り、先発では成功できず。3球団目のレッドソックスでリリーフ転向してチェンジアップをやめさせたあたりから使えるようになってきた。
本当に開花したのは、ヤンキースに移って2年目から。ファストボールさえも減らして長身の横から来る魔球みたいなスライダーをバンバン使うように変えてからでしょうね。去年なんか、6割がこの“消える魔球”スライダーでしたからね。無敵です。あとマリア・シャラポワのファンだと言ってました」
Toyo「他のリリーバーも、タイラー・クリッパード(ヤンキース)なんか、5年連続で70ゲーム以上投げる鉄腕じゃ。左肘がぐんと上に上がるフォームがかっちょええのぉ。ネイト・ジョーンズの球種まるわかりのテイクバックも面白い。あとは日本人、広島人にとってこの人を忘れることは出来ん。デビッド・ロバートソン(Wソックス)、ヤンキース時代にはリベラの後のクローザーを務めたお人じゃ。黒田のアメリカ最後のゲームは、黒田が9回を投げれば4年連続200イニング投球回到達というドエライ偉業が待っとったんよ。それが、3点リードの9回にクローザーのロバートソンが投入されて望みも消えたけんね。ロバートソンもボコボコに打たれて黒田の勝ちも飛びよった。でも、9回の裏に引退を表明していたジーターのサヨナラヒットが出てロバートソンは勝ち投手。「世の中にもし【良いブロウンセーブ(セーブ機会失敗)】があるとするならば、まさにこれのことだ」と言われてのぉ……日本にとっては最悪の、最強の運をもったピッチャーじゃ」