野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
MLB愛好家のトリプルクロスレビュー。
アメリカ豪華メンバーを今さら解説!
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byGetty Images
posted2017/03/22 21:00
2年連続ホームラン、打点の二冠王ノーラン・アレナド。このクラスが出てくることが、今回のWBCのハイレベルさを物語っている。
野球カードコレクターのオタク選手も。
Tomo「出場機会は少ないですけど、個人的には22歳のアレックス・ブレグマン(アストロズ)にワクワクしています。お父さんもお母さんも弁護士でメキシコ生まれ。昨年の夏にメジャー契約をしました。グリエルが加入してから出場機会が失われてしまいました。それでも、とにかく選球眼が良くてバットコントロールにも素晴らしくセンスを感じます。守備も堅実で若いのにいぶし銀然りとした佇まいですごく好感が持てます」
Tessy「僕のイチオシはなんといってもパット・ネシェック投手(フィリーズ)ですね。 独特のサイドスローも話題になりましたけど、 この人の何がすごいって、僕と同じ熱狂的な野球カードコレクターだからです。 自分のサイトまで持ってて、選手に直接書いてもらったサインカードのチェックリストまで丁寧にサイトにアップしています。羨ましい! でも推せます!」
Tomo「オタク仲間じゃないですか! 嬉しいなぁ。パット・二シェックのサインのPにはボールの縫い目を描き入れているんですねぇ。サイトも面白いですよ。自分のカードのレア度まで書いて整理されてます。『何度も変わった背番号で年代がわかる』とか解説してて笑っちゃいます」
Toyo「ニシェックが変則なのは、あの天才的にふざけた投球フォームだけじゃなかったんじゃのぉ(笑)。牧田との変態投法対決が楽しみじゃ」
Tessy「日本戦は、ロアーク(ナショナルズ)が先発みたいですね。キャッチャーもポージー(ジャイアンツ)がスタメンだとか。ポージーはなかなかのイケメンですからね。小林vsポージーの日米イケメン捕手対決も楽しみです」
Toyo「ワシの好きなナショナルズのロアークは、地味やがええ投手じゃ。ドラフト25巡目の下位指名。名門大学出身で就職はどこにでもできる優秀なお人やが、独立リーグでプレーしながらドラフトを待った苦労人じゃけ。トレードでナショナルズに来た当時もまったくと言っていいほど期待されとらんかったけんど、泥にまみれて頭角を現してきたんじゃ。ワシは隠れたエースやと思っとる。
スライダーもチェンジアップも平均以上のもので、時折投げるスローカーブで空振りを取れる。ツーシームいわれとるが、かなり速いシンカーが武器で、これが動く時は結果が出る。動かにゃ打たれるっちゅう感じじゃ。ただ、コントロールがええからの。横にスライドしたり急激に落ちる球は、手前味噌じゃが、相当苦戦するはず」
Tessy「小久保監督が会見で『ビックリするボールがない』といってましたね……」
Toyo「間違いなく研究不足じゃ。去年は先発で16勝を挙げよったが、今回もドミニカ戦でリリーフしたみたいに、いざとなりゃースイングマンもできる。まぁ、今回のアメリカの投手陣を見ると、先発よりもブルペン重視っちゅう感じじゃね。ドミニカは凄いクローザーをずらりと並べ、アメリカはタフネスなリリーバーを揃えた。この人らは、年間70ゲーム投げてもびくともしない人達じゃけぇの」