セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
イグアインが去っても得点は減らず。
ナポリの控えから覚醒した29歳の男。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2017/02/25 08:00
2016年のベルギー年間最優秀選手にも輝いたドリエス・メルテンス。小柄な29歳の突然の進撃が、周囲を驚かせている。
忠臣というよりも、雰囲気は傭兵。
今、彼らの前に、身震いするような過酷なカレンダーが立ちはだかっている。
今月28日、コッパイタリア準決勝の1stレグの相手は、大会3連覇を狙うユベントスだ。4日後の3月4日には、ローマとのセリエAの2位がかかる対決がある。それからわずか中2日、3月7日にナポリはレアルとの2ndレグに臨まなくてはならない。
国内2傑とのカードは、どう転んでも無傷では済むまい。FWミリクの復帰は朗報だが、ナポリは手負いの状態で、レアルとのホーム決戦に挑むはずだ。
かつてのマラドーナ然り、現役のインシーニェやカジェホン然り、ナポリのFWたちには癖のある個性派が揃う。彼らはほぼ例外なく、クラブの忠臣というより傭兵のような無頼の空気を色濃く纏っている。
2017年のサッカー界に忌憚ない思いを吐いたメルテンスもまた、無頼のFWの1人に他ならない。
ナポリの男たちは、番狂わせはまだ可能だと信じている。