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中村俊輔加入に心躍らせ磐田へ。
川又堅碁「脱・しょぼぞう」だ!
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byKyodo News
posted2017/02/05 08:00
磐田では20番を背負う川又(左端)。武骨な風貌のストライカーは中村という“新・相棒”を得て得点量産を狙う。
名古屋では2ケタ得点を奪えず、J2降格という岐路。
気持ちが入っている。率直な感想を伝えると、彼は軽くうなずいた。
「いつも勝負の年やけど、今年はそれ以上に勝負やから。変わらんといかんし、下手は努力せんといかんと思うから、やっているだけ。でもここまでいい感じに来ているとは思うよ」
184cmの長身とフィジカルの強さを活かしたパワフルかつ敏捷性のあるストライカーは2013年シーズン、アルビレックス新潟でリーグ2位となる23得点を挙げてブレイクした。だが新潟で出場機会を失っていき、移籍した名古屋グランパスでは一度も2ケタ得点をマークしていない。
2015年3月に立ち上げ当初のハリルジャパンに選出されて出場2試合目のウズベキスタン戦で代表初ゴールを決めたものの、その後代表には定着できなかった。昨シーズン、名古屋はJ2に降格。27歳になった川又は、岐路に立たされていた。
名波監督から「ストライカーとしてお前が欲しい」。
そんな折、声を掛けてくれたのがジュビロを率いる名波であった。
直に会って、直に口説かれた。
「ストライカーとしてお前が欲しい」
短い言葉だったが、心に重く響いた。
同時期にクラブが中村俊輔の獲得に向けてオファーしたのが報道されたことも、指揮官の言葉同様に移籍の決め手になった。
川又は独力で突破するタイプではない。味方との連係や、パッサーから活かされることでこれまでもゴールを生み出してきた。中村という最高の「送り手」の加入に、心は躍った。