スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
セルヒオ・ラモスは大の嫌われ者!?
古巣セビージャのファンを煽るKYさ。
posted2017/01/28 11:30
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph by
AFLO
何でお前が!?
ボールを手にペナルティーマークに歩み寄る背番号4の姿を見て、そう叫ばずにはいられなかった。しかも、あそこまでやってしまうとは……。
1月12日に行われたコパデルレイ5回戦セカンドレグ。
セビージャから見て2戦合計スコア3-4で迎えた後半38分、ホームのセビージャが逆転するにはあと2ゴール必要な状況下、レアル・マドリーに与えられたPKのキッカーに、あろうことか地元セビージャ出身のセルヒオ・ラモスが名乗り出た。
スタンド中から浴びせられる口笛とブーイングを全身に受けながらボールをセットすると、ラモスは自身の強心臓ぶりを見せつけんとばかりに、ちょこざいなチップキックでPKを流し込んだ。
それだけでは飽き足らずゴール後には、悪名高きウルトラス「ビリス・ノルテ」が陣取るゴール裏に背を向けて自身の背番号を見せつけ、さらには怒り狂うビリスの連中を指差した上で両手を耳に当ててみせた。
スタンドは試合そっちのけでセルヒオ・ラモスを罵倒。
その間には、スタンドを指差して両手を合わせて詫びる仕草も見せたが、そんなもの何のフォローにもなりはしなかった。
「セルヒオ・ラモス、イホ・デ・プータ!!」
それからの数分間、ラモン・サンチェス・ピスファンのスタンドには試合内容そっちのけで「娼婦の息子」の大合唱が響き渡り、罵詈雑言と口笛が飛び交う中で試合終了を迎えることになった。
「ファンへの敬意は一時も欠いていない。実際、メインスタンドやバックスタンド、南側ゴール裏には謝罪している。母親を侮辱するような連中にリスペクトは不要だ。会長はセビージャのファンを汚す連中に対して何らかの対策を立てるべきだ」