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2017年はマーリンズでチームメイトに。
イチローは田澤純一をどう評価した?
posted2017/01/18 11:30
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
AP/AFLO
あと1カ月も経てばメジャーリーグのスプリングトレーニングが始まる。イチローが所属するマーリンズの野手組は2月17日がキャンプインとなるが、バッテリー組は14日からフロリダ州ジュピターで始まる。そこに今季からイチローのチームメイトとして、新たな日本人選手が加わる。
田澤純一30歳。
NPBを経験せずに22歳で海を渡った右腕は、2008年オフにボストン・レッドソックスに入団。‘10年にトミー・ジョン手術を受けたものの、メジャー通算7年間で302試合に登板し17勝20敗4セーブ、防御率は3.58。指名打者制を採り、打者有利の狭いフェンウェイパークを本拠地に置きながら質の高い投球を見せてきた。
その結果、指揮官であったジョン・ファレル監督は彼に頼りすぎた。
酷使とも言える起用が続き、昨季は疲労から右肩を痛め、登板は53試合に止まった。それでも昨季果たした300試合登板が日本人投手として、長谷川滋利、野茂英雄、斎藤隆、上原浩治に次ぐ5人目の数字であれば、'13年から継続中の4年連続50試合登板は長谷川、岡島秀樹に次ぎ3人目の快挙と言える。
イチロー「(田澤は)とてもいい投手」。
田澤獲得にあたり交渉に当たったマーリンズのマイケル・ヒル編成本部長はイチローにも意見を求め、メジャー通算3030安打を放つレジェンドはこう語ったと言う。
「とてもいい投手。チームの大きな力になると思います」
イチロー対田澤の対戦成績は10打数2安打、2三振。打率.200は田澤に優位性がある。
さて。
若く才能を持った選手が多いと評価されるマーリンズは、選手の成長次第ではポストシーズンを狙えるチームとここ数年言われ続けている。
昨季も7月終了時点では57勝48敗と貯金を9つ貯え、ナ・リーグ東地区2位、ワイルドカード争いでは圏内に位置していた。だが、そこから投打に故障者が続出し、最後の2カ月は22勝34敗と大きく負け越し。地区首位のナショナルズとは15.5ゲーム差の3位、ワイルドカード争いでも7.5ゲーム差と置いていかれた。