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浦和の2016年は成功か、失敗か。
1つのタイトルと、3つの競った敗戦。 

text by

轡田哲朗

轡田哲朗Tetsuro Kutsuwada

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2017/01/04 11:30

浦和の2016年は成功か、失敗か。1つのタイトルと、3つの競った敗戦。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

2ステージ制に最も強硬に反対していた浦和が、その犠牲者になる。サッカーの神様はかくも残酷である。

「いつか順番が回ってくる」とは思うなかれ。

 来季に向けては、アルビレックス新潟のFWラファエル・シルバを獲得することが決まり、ファジアーノ岡山への2年間の期限付き移籍で成長した矢島慎也の復帰など、堅実な補強が発表されている。つまり、浦和はこれまでのチームがぶち壊しになるリスクは選択しなかった。

 あくまでも継続路線、5年間を費やして積み上げてきたものの延長線上に上積みをしていこうという意図が強く感じられる。それは、ルヴァン杯を勝ち取った今シーズンをクラブがどう評価したのかということでもある。

 純粋な積み上げでも、浦和がタイトルを独占するような1つ抜けたレベルのチームになる可能性は大いにある。だが、最も危険なのは「毎年タイトルに絡んでいるから、自分たちにも順番が回ってくる」という考え方だ。それこそ、“敗者のメンタリティー”とでも呼ぶべきものだ。そうなってしまえば、ギリギリのところで勝ちきれないチームに変化は訪れないだろう。

 ミシャ政権6年目を迎える浦和にとって最大の分水嶺は、その自分たちとの戦いにあるのではないだろうか。

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