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ラミレス監督、Number独占告白。
外国人選手との交流は難しい!?
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byHideki Sugiyama
posted2016/12/14 07:00
同じベネズエラ出身のロペスとラミレス監督。成績に波があったものの、ロペスとは9月時点で来季からの2年契約を結ぶほどの信頼関係にある。
「あそこまで打てるとは……」倉本への思い。
――5月半ば、目を引いたのは倉本寿彦選手でした。一時は打率.350に到達するなどバッティング好調でしたが、彼の活躍をどのように見ていましたか。
「セ・リーグで最も守備力の高い選手の1人だとは思っていたが、あそこまで打てるとは誰も考えていなかった。
バッティング練習もすごく一生懸命だし、相手が右投手か左投手かにかかわらず逆方向に打つバッティングを心がけたことが高いアベレージにつながったのだろう。これだけ打てるなら、固定できていなかった2番で使えるのではとも考えたが、バントやエンドランが得意とはいえないし、初球から振っていくスタイルなのでサインを送る作戦も機能しなかった。むしろ自由に打たせたことがいい結果につながったのだと思う」
――となると今季同様、来季も6番か7番あたりを打たせることになりそうですか。
「6番が彼のベストな打順だろう。得点圏打率は悪くないが5番にしてはパワーが物足りない。2アウトからでもシングルヒットが打てて、ランナーがいれば得点を計算できるのが倉本だと思っている」
記憶に優れ、試合での実行力にも秀でいた捕手・戸柱。
――安定した投手陣の陰にはルーキーの戸柱恭孝捕手がいました。彼の戦いぶりを見ていてどう感じましたか。
「情報を記憶する能力が誰よりも長けていたのが戸柱だった。試合前には2つのミーティング(投手ミーティング、バッテリーミーティング)があり、相手チームに対する戦略を立てるわけだが、彼は配球なども含めて、試合に必要な情報をしっかりと記憶してくれていた。また試合中、ベンチに戻ってきた時に、光山(英和)バッテリーコーチから『さっきの配球は、内のほうがよかったんじゃないか』といったアドバイスを送ってもらうと、それをきっちりとゲームのなかで実行してくれた。ブロッキングが非常によく、投手陣が2ストライクまで追い込んでから、後逸を怖がることなく落ちるボールを選択できるようになったのも大きかった。
戸柱には休養も必要だと思い、週に5日、マスクをかぶらせて、山口(俊)のところでは高城(俊人)に受けてもらった。戸柱と高城の2人は非常にいいコンビネーションを見せてくれた」