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ラミレス監督、Number独占告白。
外国人選手との交流は難しい!?
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byHideki Sugiyama
posted2016/12/14 07:00
同じベネズエラ出身のロペスとラミレス監督。成績に波があったものの、ロペスとは9月時点で来季からの2年契約を結ぶほどの信頼関係にある。
桑原将志がレギュラーになるまでのいきさつ。
――交流戦が終わるころから、外野手争いから桑原将志選手が抜け出し、1番・センターに固定されました。彼のどんなところに魅力を感じたのでしょうか。
「最も評価したのは守備力だ。センターでのカバーリングがよく、(レフト)筒香と(ライト)梶谷の助けになってくれる。これで、セカンドを除いてセンターラインが固定できた。
1番打者としても魅力がある。桑原はストレートに強いバッターだが、ストレートの比率が最も高い打順は1番だとぼくは思っている。時間はかかるだろうが、スピードを生かして20~30盗塁はできるようになると思う。1週間、毎日使ってみて、これでやっていけると確信してから、彼に伝えたんだ。『今日からお前がレギュラーだ。集中力をもって、ずっとレギュラーであり続けられるように頑張ってくれ』と」
あえて外国人選手にはカベを作って接していた。
――7月6日の試合で、途中加入のエリアン選手が逆転満塁弾を放ったのは印象的でした。一方、期待をかけたロマック選手は結果が出ないまま、6月20日に二軍に落ちてしまった。外国人選手にはどのように接していたのですか。
「ロマックとは、どんな監督でもこんなにはやらないだろうというくらいコミュニケーションを交わした。『ポテンシャルは高いんだから、日本の野球に適応できれば必ず結果は出る』と話した。彼もコーチの話をよく聞いていたが、ゲームで結果を出すことができなかった。
ぼく自身も外国人だが、それでも外国人選手とうまくコミュニケーションをとるのは何よりも難しかった。外国人監督だから、外国人選手を先発で使ってくれるはずだと期待しているだろうし、監督と個人的な関係を結べていて、互いの距離も近いと感じているのも事実だろう。ただ、ぼくはチームの勝利を優先しなければならないし、そのために最善の選手を使わなくてはならない。だから、外国人選手にはどこかでカベをつくって接しなければならなかった」
――ロマック選手に代打を送ることもありました。
「彼らは打つために日本に来ているのだから、代打を送るのは本当に厳しい判断だった。そういう判断を下した翌日、顔を合わせた時に『おはよう』と声をかけるべきか、『元気?』と声をかけるべきか……そういうところにも頭を悩ませていた」