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韓国で1強状態、クラブW杯も出場。
全北現代の監督に学ぶ組織掌握術。 

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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photograph byYonhap/AFLO

posted2016/12/10 11:00

韓国で1強状態、クラブW杯も出場。全北現代の監督に学ぶ組織掌握術。<Number Web> photograph by Yonhap/AFLO

ACL決勝でUAEのアル・アインを破ってアジア王者となった全北現代モータース。チェ監督にとっては、2度目の戴冠となる。

ファーガソン、ベンゲル、西野朗、そして……。

 その強さの理由のひとつが、監督の長期政権だ。

 チェ・ガンヒ監督は途中、韓国代表監督に就任した1年半を除いて、じつに10年もの長い期間、このクラブの指揮を執っている。

 世界中のクラブの理想像でもあるだろう。

 ひとりの監督が明確なビジョンを持ち、好成績を維持し続ける。結果良い選手が集まり、クラブのステイタスが高まる。そんなサイクルだ。プレミアリーグのサー・アレックス・ファーガソンやアーセン・ベンゲルのように。

 Jリーグではガンバ大阪と西野朗がこの関係を築き上げた。2002年から2011年までの10シーズン指揮を執った。その他ミハイロ・ぺトロビッチ(サンフレッチェ広島で6年、浦和レッズで5年)や、広島の森保一(5年)らの事例もある。

 ハマれば上手くいく。上手くいくからこそ続く。しかし軌道に乗せることは簡単でない。これが長期政権だ。

長期政権を目指すも、頓挫するクラブが多い。

 日本でも、長期政権を目指しては挫折するクラブが過去数多く存在した。

 昨季では名古屋グランパスが、かつて指揮を執ったベンゲルに倣い小倉隆史にその道を歩ませようとしたかに見えたが1年目にして頓挫。J2ギラヴァンツ北九州は柱谷幸一監督任期4年目にして「マンネリ予防」のために攻撃的選手の補強に出た。しかし逆に守備に風穴が空き、まさかのJ3降格の憂き目にあった。

 いっぽう、韓国でこれを大成功させているのが、全北のチェ・ガンヒ監督だ。現職に就任した2005年シーズン途中からの成績は次の通り。

2005年 12位 国内カップ戦優勝
2006年 11位 ACL優勝
2007年 8位
2008年 6位
2009年 優勝
2010年 3位
2011年 優勝
※2012年 2位
※2013年 3位
(※2012年6月-2013年はチェ・ガンヒのフル代表監督就任により、監督代行体制。翌'14年に復帰)
2014年 優勝
2015年 優勝
2016年 2位 ACL優勝

【次ページ】 重要な選手は、皆ベテランばかり!?

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