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韓国で1強状態、クラブW杯も出場。
全北現代の監督に学ぶ組織掌握術。
posted2016/12/10 11:00
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph by
Yonhap/AFLO
おお、すごい。頑張れ。
そんな感情だけでこのチームを観るべきではない。
昨年に引き続き、今年も日本で開催されるクラブワールドカップ。ここに、アジア代表として韓国のクラブを迎えることになる。2016年アジアチャンピオンズリーグ優勝クラブの全北現代モータースだ。
ライバルにアジア代表の座を譲り、自らは開催国枠に甘んじている日本。この現実から目を背けるわけにはいかない。全北は11日、クラブ・アメリカ(メキシコ/北中米カリブ海代表)と1回戦を戦い、勝利すればレアル・マドリー(スペイン/ヨーロッパ代表)への挑戦権を得られるのだ。
Kリーグで「1強」となっている全北現代。
近年の韓国で全北現代は、「1強」とも言える存在だ。
基本フォーメーションは4-2-3-1。ACL決勝では、UAEのアル・アイン相手にブラジル人MFレオナルドが2ゴールと活躍した。ここに韓国代表MFイ・ジェソン、キム・ボギョンやFWイ・ドング、キム・シヌク、さらにはブラジル人のエドゥー、リカルド・ロペスが絡み、攻撃的サッカーを繰り広げる。
一方今季は、2013年に当時のクラブスカウトが起こした国内リーグでの審判買収問題も大きく取り沙汰された。
これにより、リーグ側からペナルティーとして勝ち点9のはく奪を科された。結果、独走状態から一転、勝ち点が並んだ状態での最終節、ホームにてFCソウルに敗れ逆転優勝を許してしまった。罰は受けたが、国内では現在でも「処分が軽すぎる」という根強い声が残っている。
そんなチームをどう見るべきか。
組織論からの観点で、提案をひとつ。
なぜ、このクラブが強いのか――もちろん“HYUNDAIマネー”の存在は無視できないが、クラブ独自の方針で生み出したその強さを、改めて掘り下げたい。