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ダートの新王者はサウンドトゥルー!
追い込み一辺倒が「必殺の形」。
posted2016/12/05 11:50
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
下半期のダート王を決める第17回チャンピオンズカップ(12月4日、中京ダート1800m、3歳以上GI)を制したのは、大野拓弥が騎乗する6番人気のサウンドトゥルー(セン6歳、父フレンチデピュティ、美浦・高木登厩舎)だった。
昨年のこのレースで3着になったあと、東京大賞典を勝っているが、JRA・GIはこれが初勝利。首差の2着は1番人気のアウォーディー、3着は10番人気のアスカノロマンだった。
前半1000m通過は60秒6。好位につけた2番人気ゴールドドリーム(12着)のミルコ・デムーロも、3番人気コパノリッキー(13着)のクリストフ・ルメールも「ペースが速かった」と口を揃えた。
武豊のアウォーディーも、それらから差のない好位の内にポジションをとった。
サウンドトゥルーは先頭から12、3馬身離れた後方2番手を進んだ。
フッと減速したアウォーディーの脇から差し切った。
4コーナーを回りながらアウォーディーが外から先団にとりつき、雁行型になった前の馬たちをかわしにかかる。
流れが速かったため馬群は一団にならず、アウォーディーを含む前8頭と後ろ7頭がふたつに分かれる形になった。
「3、4コーナーは内を回ろうと思っていた」という大野に導かれ、直線入口で内埒沿いにいたサウンドトゥルーは、その馬群の割れたところを通って、難なく馬場の真ん中へと進路を変えた。
すると、3馬身ほど前に、内の馬たちをじわじわとかわして行くアウォーディーがいた。
1完歩ごとに差を縮め、アウォーディーが内の馬たちをかわし切り、悪い癖でフッと力を抜いて減速したところに並びかけた、と思ったら、もう差し切っていた。