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史上初、5つのGIの馬券が買える日。
香港ではムーアが4冠の可能性も。
posted2016/12/10 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
今週末は、日本馬が出走する5つのGIレースの馬券を買うことができる。香港国際競走4レースと、2歳女王を決める阪神ジュベナイルフィリーズ(12月11日、阪神芝外回り1600m、2歳牝馬GI)である。
マカヒキが出走し、日本で初めて馬券が買える海外レースとなったのは、今年10月2日の凱旋門賞だった。日本のホースマンにとって悲願のタイトルだから話題になって当然だったのかもしれないが、そのあおりを食う格好で、スポーツ新聞でもネットでも、同じ日のスプリンターズステークスの扱いがかなり小さくなっていた。
4度目の海外馬券発売レースとなる今回の香港国際競走も、日本のメインである阪神ジュベナイルフィリーズより、メディアでの扱いが大きい。1着賞金を比べると、阪神ジュベナイルフィリーズの6500万円に対し、香港カップは約2億1375万円(1425万香港ドル)もある。
イベントの規模はジャパンカップを上回るレベルに。
それ以上に、香港カップに5頭、マイルに3頭、スプリントに2頭、ヴァーズに3頭と、計13頭もの日本馬が出走し、うち8頭がGIホースという超豪華メンバーが走るのだから、注目度が違ってきて当然だ。
これほどのビッグイベントなら自分の国で見たいとも思うが、香港国際競走には、一度参加した関係者には「この素晴らしいレースをぜひ勝ちたい」と思わせ、見に行ったファンには「こんなに華やかなレースならまた来たい」と思わせる魅力がある。
私が初めて行った1991年の香港カップは、まだ今のような盛り上がりではなかった。当時はジャパンカップのほうが国際色豊かで、レースのスケールも比較にならないほど大きかった。
ところが、2度目に行った'97年、サイレンススズカが5着に敗れたときは国際GIIだったのだが、ずいぶんスケールアップしていて驚かされた。そして今は、イベントとしての華やかさや国際色の豊かさで、ジャパンカップを上回るところまで来ている。