選択肢を複数用意して、切り替える能力。

　アタッカーはタテへ突き進みたいが、DFはタテへ侵入されることを嫌う。となれば、アタッカーに問われるのは縦ではなく横＝左右へ動きながらのプレーだ。そのうえで、2つ目、3つ目とプレーの選択肢を変えることで、決定的なシーンを生み出すことができる。

　クラブを通して決勝点のシーンを振り返った久保は「3人の間へ切り込んでシュートを打とうと思ったときに、（ゴールを決めた）荒川（滉貴）選手が走ってきているのが見えて、あとはパスを出して、落ち着いて決めてもらうだけでした」とのコメントを残している。横へのプレーとプランBとしてのラストパスを、明確に意図していたことが分かるだろう。

　まだまだ発展途上のフィジカルが磨かれていけば、縦へ突き進む力強さは増し、それによって横へのプレーの脅威度が増す。そして、フィジカルはスペインでなくても高めることができる。

　15歳の現時点で着目すべきは、プレーのイメージと選択肢の多さだ。日本でプレーしていても、久保は世界への階段を登っている。U-19への招集は、決して驚きではない。