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「20億円稼げる選手になってやる」
小林祐希、代表は我が道の先に。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byAFLO

posted2016/11/03 11:30

「20億円稼げる選手になってやる」小林祐希、代表は我が道の先に。<Number Web> photograph by AFLO

小林はかつて小野伸二が所属したフェイエノールトに対して一歩も引かなかった。見据えるものはチームの勝利と、自身の価値向上である。

「じゃあイニエスタやシャビはどうなのって話です」

 オランダに移籍する前、彼に話を聞く機会があった。

「俺はストライカーじゃないですから、無理して別に点を取らなくていい。周りは点を取れないと海外では通用しないとか、代表の試合に出られないと言うけど、そうは思わない。じゃあイニエスタやシャビはどうなのっていう話です。そこまで点を取っているわけじゃないけど、バルサでずっと試合に出ていたわけじゃないですか」

 周りを活かして自分が活きる。

 自分のポリシーをチームにうまくマッチさせようとしているのがよく分かる。セカンドボールや攻守の切り替え、プレッシングなど求められるものを意識しつつ、次の段階に移れば自分の特長がもっと活きてくると踏んでいるはずである。

 本田圭佑と比較されがちだが、名波仕込みのプレースタイルはグイグイと自分を前面に押し出す本田タイプとはまた違う。だがマインドという点では恐ろしいほどに重なる。目標が高いからこそ、ビッグマウスにもなる。

「本田さんとは強気なところ、自分で自分を追い込むところ、常に高い場所を見るところ、人と同じでは嫌だと思っているところ……似ている部分はあると思います。本田さんがいることで俺も目立って、本田さんがいなくなったときに『次は小林祐希だ』ってなるなら、それはそれでありがたい」

「20億円稼げる選手になってやるって思ってます」

 本田はVVVフェンロで欧州の扉を開け、CSKAモスクワ、ACミランとステップアップしてきた。ただ生き様には共感しても「人と同じでは嫌」が小林の信条。本田に負けない野望がある。

「オランダなら日本人選手もあまりいないし、困ったら誰かが助けてくれる環境じゃない。そういうほうが俺は向いているなって思います。

 一個先を考えないと目標にはたどりつかない。そこは本田さんに似ているかもしれない。本気で目指したからこそビッグクラブに行ったわけじゃないですか。俺は絶対にビッグクラブに行って20億円稼げる選手になってやるって思ってます。そういう目標を持たないと、1億円にも達しないと思うんです。だから別に笑われたっていい。バカにされてこそ、世界を変えていけるって俺は思っていますから」

【次ページ】 ハリルに対して“自分の力を認めさせてやる”。

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