サムライブルーの原材料BACK NUMBER
「20億円稼げる選手になってやる」
小林祐希、代表は我が道の先に。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byAFLO
posted2016/11/03 11:30
小林はかつて小野伸二が所属したフェイエノールトに対して一歩も引かなかった。見据えるものはチームの勝利と、自身の価値向上である。
ハリルに対して“自分の力を認めさせてやる”。
野望を成し遂げるには、立ち止まっている時間などない。「一個先を考えて」彼は貪欲に成長曲線を描こうとしている。充実はあっても満足はない。常に何かを欲して、探して、目をギラつかせている。
6月のキリンカップでA代表に初招集されて以降、呼ばれていない。
代表に対する思いは強い。と同様にハリルホジッチに対して“自分の力を認めさせてやる”という思いも感じる。
彼はこう語っていた。
「ハリルさんの勝利に対する執着心はもの凄いと思います。ミーティングは長いし、練習中もピッと笛で止めて(選手に)言ってくる。監督が熱く来てくれるんだから、俺はそれ以上の熱で返したい。また代表に呼ばれたい」
ハリルジャパンは11日の親善試合オマーン戦(茨城県立カシマサッカースタジアム)、15日のロシアW杯アジア最終予選サウジアラビア戦(埼玉スタジアム2002)に向け、4日にメンバーが発表される。
波に乗るヘーレンフェーンの原動力になっている彼がハリルジャパンに加われば、チームが活気づくという期待感もある。
デュエルの力を上げてオランダから猛烈にアピールする小林祐希は、指揮官を振り向かせることができるだろうか。