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大山悠輔と中塚駿太のWプロ入り。
白鴎大・黒宮監督はただただ祈る。
 

text by

安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/11/01 07:00

大山悠輔と中塚駿太のWプロ入り。白鴎大・黒宮監督はただただ祈る。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

強打の野手として注目された大山(右)と、150km超の剛速球を投げ込む中塚。大山は金本監督たっての希望で1位指名を受けた。

大山の阪神1位には疑問符がつけられたが……。

 とりわけ、大山悠輔の阪神1位は世間に大きな反響を生んだ。

 そのほとんどが、阪神は1位を佐々木千隼(桜美林大)でいくべきだった。大山悠輔は2位でも十分に獲れた。論調は、ほとんどがそうした内容のものだった。

「阪神は人気球団ですから、ほかより反響が大きいのは当然です。これから、本人が慣れていかなきゃならない部分なんでしょうけど、今はまだ大山本人に免疫がないですから。どうか、あんまりびっくりするような書き方だけはしないでくださいって、これ、誰に向かって言ったらいいのか、僕にもわからないんですけど。もう祈るばかりですね」

 阪神は、ほんとに2位で大山悠輔を獲れたのか?

 ならばちょっと、シミュレーションをしてみよう。

2位だとウェーバー制の妙で獲れなかった可能性が。

 阪神が1位で佐々木千隼を指名したとする。

 さらに、1位指名の抽選で田中正義と柳裕也(明治大)を外した4球団は、実際の外れ1位を指名したとして、佐々木千隼を外れ1位にした千葉ロッテは同じ投手で高い評価を得ていた「立正大・黒木優太」を指名したと仮定する。

 2位のウェーバー制先頭になるオリックスは、3位で高校生遊撃手・岡崎大輔を指名しているのだから、2位で京田陽太(日大)が残っていれば、そこで京田を指名することが考えられる。

 2位指名で2番目の中日は、実際には京田を指名したが、1つ前でオリックスにさらわれている場合、ここで「大山悠輔」を繰り出してきた可能性が十分にあった。

 さらに、阪神の1つ前で中塚を2位指名した西武だって、チーム事情から打てる三塁手は欲しいし、3位で源田壮亮遊撃手(トヨタ自動車)を指名しているぐらいだから、2位で大山にいくことも考えられた。

 このように、阪神は1位で大山を獲っておかないと、2位では他球団が先に指名してしまう可能性は少なからずあったのだ。

【次ページ】 「こうなったら、1位という現実を勲章と考えて……」

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