畠山健介のHatake's roomBACK NUMBER
畠山健介が英国で驚きの怒られ方!
「システムと個人判断」のバランス。
posted2016/04/15 07:00
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph by
Kensuke Hatakeyama
トンガ代表、ニリ・ラトゥ。
NECグリーンロケッツに所属していた頃のニリは、とにかく激しいプレーヤーだった。その激しさは時に、「ラフプレーなのでは?」と思うほど。彼の存在はトップリーグの多くのチーム、選手にとって脅威だった。そして移籍したファルコンズでも激しいプレーを見せ、プレミアシップの強敵たちからも警戒される存在になっている。
日本にいた頃は、グラウンドでの彼しか知らなかった。グラウンドの外で接したことはなかった。
グラウンドでの激しさは敵としては脅威だが、仲間としてはとても頼もしい。ニューカッスルに来て普段の彼と接すると、意外にもめちゃくちゃ良いやつだった。面倒見がよく、同じトンガ人のタネ(ソナタネ・タクルア)は彼をとても慕っていた。
渡英してからずっと悩まされていた家が無いという問題は、ニリのおかげで解決した。
チームが用意した家は、ニューカッスルのサッカー選手たちが住む豪華な一軒家が建ち並ぶ、閑静な住宅街エリア。その一角にある、周囲の建物とは対照的な普通のアパートだ。
居候させてもらった親友トッドの家からお引越し。
スーパーの裏に入口があり、玄関の扉を開けると階段だけがある。2階はリビングとキッチン、3階に寝室が3部屋とバスルーム。リノベーションされており、外観は若干の古さを感じるが、中は綺麗だった。
家具はソファとベッドの枠組と最低限の物だけ。渡英してから心の支えとなっていたWi-Fiはこの家には無い。スーパーが併設されているおかげで買い物には困らなそうだが、都心からはかなり離れている。
4月には、妻と娘が来る。妻に家の立地や中の状況を説明した。「いいよいいよ、大丈夫!」と言ってくれる妻に申し訳ない気持ちになった。覚悟を決めて、居候させてもらっていた親友トッド(・クレバー/元サントリー)の家から引っ越しを決意し、荷物を運んだ。