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CSまでの1カ月は“キャンプ”だった!?
新井貴浩も崩れ落ちた広島の猛練習。 

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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photograph byHideki Sugiyama

posted2016/10/17 17:00

CSまでの1カ月は“キャンプ”だった!?新井貴浩も崩れ落ちた広島の猛練習。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

日本シリーズ進出を決めた後、ファンへ感謝するナインたち。緒方監督は「一戦一戦カープの野球が出来て、勝つ事が出来ました」とコメントした。

39歳の新井も、終了後に膝から崩れ落ちるほどの練習を。

 若手だけでなく、39歳のベテラン新井貴浩も歯を食いしばった。

 連続ティー打撃ではひざから崩れ落ち「連ティーなんて、数年ぶりだ」と苦悶の表情を浮かべるほどだった。

 昨季は最終戦に敗れ、Bクラスが決まった。そこから秋季練習を経て、秋季キャンプと流れ込んだ。これまで広島にとってポストシーズンは、真剣勝負を戦った経験よりも、早く翌年に備える時間を過ごすことの方が多かったのだ。

 今回の調整期間前半の猛練習は、チームに「いつも通り」を浸透させる1つの方法でもあった。

 またその猛練習が、チームにほどよい緊張感と競争意識を与えた効果もある。

 東出輝裕打撃コーチは「うちのレギュラーは1番田中、2番菊池、3番丸、5番鈴木くらい。新井さんや松山、安部、エルドレッドは4人に次ぐ準レギュラー」と言う。実際、ファイナルステージ4試合は、すべて違う打線を組んだ。2戦目には4番を新井から松山竜平に代えるなど、首脳陣の考え方にブレはない。シーズン中の戦い方を変えることはなかった。

 CSが始まっても、ナイター試合の日には早出特打が行われた。

 そこにはレギュラー組の田中や鈴木の姿もあった。素手でのロングティーを繰り返した田中は「しっかり自分のスイングをするためにやっているだけ。左打者は走り打ちになりやすいので」と普段の練習を続け、4試合で12打数10安打4打点、6得点という数字を残した。

未来を見据え、若手の育成も並行して進める。

 CS突破は広島にとって最大の使命だったが、同時にチームは未来も見据えていた。

 調整期間前半はキャンプのように追い込んでいたが、そもそも野間峻祥にとってはリーグ優勝決定直後からCS期間を通しても毎日がキャンプのような日々だった。

 リーグ優勝が決まった当日、一軍に登録された。東出打撃コーチは真顔で「野間は今日からキャンプだ」と宣言。

 試合前、練習メニューが書かれたホワイトボードには「37 特TEE」と書かれていた。ベンチ裏で振り込んで汗だくになった野間が、そのままグラウンドでの全体練習に加わっていたのだ。その日からのリーグ戦残り10試合はCSへ向けたテストではあったものの、野間の“キャンプ”は続いていた。

【次ページ】 野間が来年使えるようになったら……来年も優勝。

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