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チェルシーでベンチ続きのセスク。
“ピルロ役”としての定位置奪回を。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2016/09/24 08:00

チェルシーでベンチ続きのセスク。“ピルロ役”としての定位置奪回を。<Number Web> photograph by Getty Images

セスクはバルサ時代、シャビ、イニエスタの牙城を破れずチェルシーへと新天地を求めた。在籍3年目の今季、司令塔に再び君臨できるか。

古巣アーセナル戦での今季プレミア初先発なるか?

 試合では2ゴール1アシスト、そして120分間フル出場を果たした。 納得の表情でコメントしたのも頷ける。マティッチとの2ボランチで先発すると、立ち上がり9分に、カウンターで走ったジェフ・シュラップを諦めずに追ってプレッシャーをかけ、右SBセサル・アスピリクエタによる対応を可能にしている。

 岡崎慎司の2発で優位に立ったレスターに対して、レスターが反撃の狼煙を上げたのは、セスクのCKに反応したギャリー・ケーヒルのヘディングシュートからだった。その直前には、相手ペナルティエリア付近でプレスを掛けてパスミスを誘い、ボール奪取に貢献してもいた。後半早々にアスピリクエタが決めたボレーもセスクの折り返しに端を発している。

 反省材料が見られたのは同点直後の51分。右サイドから中央に切れ込んできたシュラップにエリア手前であっさりと抜かれ、枠外ではあったもののシュートを打たせてしまった。だが、チェルシーに勝利をもたらしたのはセスクだ。80分過ぎから前線に押し上げられると、延長戦前半に2分間で2得点。アザールのバックヒールによるお膳立てから右足で正確に決め、目の前に落ちて来たルーズボールを瞬時にコントロールして左足で叩き込んだ。

 勝利を確定させる4点目を決めたセスクは、チェルシーファンが陣取る自軍ハーフまで両手を広げながら走ってのガッツポーズ。その姿はベンチ前のコンテの目にも飛び込んだに違いない。そして、最強メンバーを模索する指揮官のスタメン構想の中にも入ったと見られる。9月24日に迫った第6節アーセナル戦でセスクに今季プレミア初先発があるかどうかは、アウェイでのビッグゲームに臨む指揮官の勇気次第かもしれない。

 それでも勝利監督は試合後に言っている。

「こういうリアクションが選手から欲しい。激しいポジション争いを演じてくれれば、試合毎に最適なイレブンを選ぶことができる」と。

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