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僕らはリオも乗り越える――。
植田直通と遠藤航、重なる思い。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byTakuya Sugiyama
posted2016/08/03 12:50
ハリルホジッチ監督から高い評価を得ている植田。五輪後のロシアW杯アジア最終予選でのA代表デビューが期待されている。
ブラジルの特殊な環境をイメージした準備とは?
植田は鹿島でもU-23の試合でも、DFの核として先陣を切り体を張って相手を止めに行くことが多いプレイヤーだ。もともと、「痛みには鈍感」だというが、最近は身体のコンディションに気を遣い始めたという。
「僕はこれまで脚の痛みに関しては多少痛くてもある程度やれると思っていたんですけど、今は少し違和感があればすぐに治療して、早く治す。最近になってそういうことが大事なことだと思い始めました」
コンディションの維持は、今後控える大舞台でも重要となってくる。
「オリンピックの舞台となるマナウスはすごく暑いところだと聞きました。メディカルスタッフの方からも色々話を聞いて参考にしながら、今のうちに自分がどういうことをやれば一番いいコンディションにもっていけるのかっていうのを見つけておかないといけない。食事の面も今からこだわらないと。オリンピックのための準備はもう、始まっていると思う」
A代表として戦って、得たものとは?
一方、遠藤のインタビューは6月、同じく所属チーム・浦和レッズの練習後すぐの時間に設定された。
遠藤は、まだ汗が乾ききらないままの姿で現れると、すぐにピッチ上での撮影が始まった。
普段の遠藤は、柔らかな表情の持ち主だ。そこで撮影の直前に「リオ五輪プレビュー号なので、これから戦いに臨む前の表情でお願いします」と伝えると、「わかりました」と言って、彼なりの険しいビシッとした表情を作ってくれた。キャプテンとしてピッチでリーダーシップをとる遠藤の凛々しさが伝わるようなポートレートになっているはずだ。
遠藤は6月に行われたキリンカップでA代表に選出され、ブルガリア戦、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦の2試合に出場した。ハリルホジッチ監督の元で、海外組も多いA代表の選手らと練習し、ともにプレーしたことで、多くの刺激を受けた。
「トゥーロン国際大会には行けませんでしたが、キリンカップは僕にとってはすごくいい経験でした。ああいうフィジカルの強い相手とプレーして、足が届かなそうなところでも届かせてくるような身体能力の高さや、ボールタッチの独特な感覚を学ぶことができました。それらをこれからリオにも繋げていきたいですね」