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筒香嘉智が“セリフ”を気にする理由。
平凡なコメントは「超頭いい」ゆえ?
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byNaoya Sanuki
posted2016/07/29 07:00
鮮やかな弾道を横浜スタジアムのスタンドに放り込み続ける筒香。クライマックスステージ進出へのキーマンであることは間違いない。
高卒7年目当時の松井秀喜と同じようなハイペース。
「感触いいなっていう時がヤクルト戦(7/18~7/20)あたりからやっときたなって感じです。ちょっと表現できないんですけど、体の中がよく動くようになって、その動きがまとまり出したって感じですね。軸でも筋肉でもなくて……もっと奥の深い部分のこと。僕がその感覚を追い求めてずっとやってきたので、それを言葉では表現できないですね」
その話に耳を傾けながら、筒香の腹のあたりを見つめることしかできなかった。
95試合を終えて、すでにキャリアハイを上回る29本。一度登録を抹消されているため、筒香が出場したのは86試合だ。残り48試合、このペースのままでいけば44~45本でシーズンを終える計算になる。
参考までに、現在の筒香と同じ高卒7年目のシーズン、松井秀喜が記録したホームラン数は42本である。
ゴジラ超えへ――。筒香が、そんな夢を描ける数少ない打者の1人であることは疑う余地がない。