浦和北の捕手・松村の肩に衝撃を受けた。

　2年生とわかって驚いたのは、第2試合。

　山村国際高と戦った浦和北高の捕手・松村翔太（180cm63kg・右投右打）だ。

　データに記されている63キロというのは、おそらくかなり前の数字ではないか。ユニフォーム姿は73キロぐらいに見える。

　この捕手がすばらしい強肩の持ち主だった。

　イニング間の二塁送球、俊足の2番打者をベース手前で楽々刺したスローイング。アクションのタイミングが合った時の、低くホップするように伸びていく球筋は間違いなく超高校級だ。

　もったいないな……と思ったのは、本人がその事実に気づいていないこと。もっと、見せつけるようにして、盗塁の“抑止力”にすればいいし、投手への返球も、1球1球右耳の上でしっかりトップをとって、タテの腕の振りの軌道で指をかけて投げる意識を持てば、長所は“無敵の武器”になる。

　捕手に盗塁させない強肩があれば、投手も投げることに集中できて、こんなにありがたいことはない。

　レフト方向に強引なスイングを繰り返したバッティングだって、強烈なセンター返し、ピッチャー返しを志向した練習でどんどん上達できる。

　楽しみな強肩捕手の“卵”も、埼玉で1人見つけた。